「近くを見る時」に「遠くを見ている視線の状態」を作り出す、平行視タブレット
MYOFREE(マイオフリー)

概要
「MYOFREE(マイオフリー)」は、約40cm先の画面を見ながら、両眼の視線を遠く(約5m先)を見るときのような平行に近い状態へと導く、15.6インチのタブレット端末だ。専用の円偏光グラスと組み合わせて使用する。株式会社協同が開発し、2026年10月の「CEATEC 2026」出展を経て、同年11月中旬よりMakuakeでの先行販売を予定している。
スマートフォンやタブレットを至近距離で見続けると、眼はピントを合わせるために筋肉(毛様体筋)を緊張させ続け、左右の視線が内側に寄る「輻輳(ふくそう)」状態が固定化される。MYOFREEは、独自の画像生成技術と光学パネルにより、画面の向こう側の遠くを眺めているような「平行視」を作り出し、VDT作業に伴う視環境ストレスの軽減を目指す。映像は画面の向こう側に見え、少し離れたスクリーンを客席から眺めるような奥行きと没入感がある。
Android 16を搭載し、既存のアプリやHDMI接続したPCのサブディスプレイとしても稼働可能。平行視にするモードと、グラスを使わない通常モードは、ワンボタンで切り替えられる。
(※本製品は近視や眼疾患の治療・予防を目的とした薬機法上の医療機器ではない)




なにがすごいのか?
手元のタブレット(約40cm)を見ながら「約5m先の視線環境」を再現:
近くの画面を見ながら、約5m先を見るときに近い平行視の状態をつくれる。内側に寄りがちな視線を自然な平行状態へ整え、眼のピント調節筋の持続緊張を緩和。円偏光分離による「高精細かつ歪みのない奥行き没入感」:
左右の映像を回転方向の異なる円偏光で分けて表示する独自のディスプレイ技術で、解像度を落とさず、頭の角度や視点位置が変わっても像が歪みにくい平行視を保てる。あらゆる動画・Web・業務アプリを「リアルタイムに平行視化」:
専用コンテンツを必要とせず、通常のAndroidアプリや外部PC入力をワンタッチで平行視差画像へ変換して見られる。
なぜ生まれたのか?
発端は、fMRI(機能的磁気共鳴画像法)研究の世界的権威であった故・中田力医師(元新潟大学脳研究所統合脳機能研究センター長)の「デジタル社会を生きる子どもたちの眼を守りたい」という危機感だった。文部科学省のGIGAスクール構想等でタブレット学習が日常化するなか、「利便性を手放さずに眼への負担を減らす道具」の必要性を唱えた中田医師の構想に、創業87年のものづくり企業・協同が賛同。
産業機械やロボット開発で培った機構設計力をベースに、試作と改良を繰り返すこと15年以上。開発途中で中田医師は逝去したものの、その思想を継承した開発チームが光学モジュールと画像補正アルゴリズムの壁を突破し、製品化へと漕ぎ着けた。
なぜできるのか?
3D技術を逆転させた「平行視差画像生成」
従来の3D立体視が映像を手前に飛び出させる「交差視(視線を内側に交差させる)」を利用していたのに対し、MYOFREEはその原理を反転。入力された映像信号を独自のアルゴリズムで左右にシフトさせ、脳が「画面の奥にある遠くのスクリーン」として1つに統合認識するよう誘導することで、手元の画面でありながら両眼の視線が平行に伸びる状態を作り出す。
左右の映像を円偏光で分け、脳が1つに統合する仕組みを応用
MYOFREEには、左右の眼から入る映像を脳が1つに統合する仕組みを応用した特許技術が搭載されている。取り込んだデジタルコンテンツは、左右にシフトした「平行視差画像」へ瞬時に変換される。円偏光とは、光の振動方向が回転しながら進む光のことで、映画館の3D映像などにも使われている。MYOFREEは、左右それぞれの映像を、回転方向の異なる円偏光で分けて表示する。専用の円偏光グラスで左右の眼に振り分けることで、約40cm先の15.6インチの画面を見ながら、両眼の視線を約5m先を見るときに近い平行視の状態にする。見る位置や角度が変わっても像が歪みにくく、安定した平行視を保つ。
左右の映像を混ぜない、平行視のための独自ディスプレイ技術
液晶、偏光板、光学パネルなどをMYOFREE向けに最適化し、左右それぞれの映像を高精度に分離する。さらに、独自の残像低減技術と、左右の映像のずれを自動で補正する技術によって、左右の映像が混ざる「クロストーク」を抑え、解像度を落とさずに安定した映像表示を実現している。構造は、ディスプレイガラス、内蔵メイン基板、3D光学モジュール、本体・スタンドからなる。画像生成技術とこのディスプレイ技術を組み合わせて、安定した平行視による視聴を可能にしている。
ピント調節機能解析装置「AA2」による客観的エビデンス
毛様体筋の微細な痙攣(高周波成分)を捉えるピント調節機能解析装置「AA2」を用い、通常ディスプレイとMYOFREE使用時でのVDT作業負荷を比較検証。作業後の毛様体筋の緊張緩和とリラックス効果が確認されているほか、体験者の80%以上が「眼が休まった」と回答。昭和医科大学眼科主任教授の恩田秀寿氏からも「近方作業でありながら遠視状態を作る斬新なアイケアの選択肢」として評価を得ている。
相性のいい産業分野
- 教育・人材
児童・生徒向けの一人1台学習端末、長時間のオンライン授業における近視進行・視力低下リスクの低減
- IT・通信
1日8時間以上ディスプレイと向き合うエンジニアやデスクワーカー向けの疲労軽減サブモニター
- 官公庁・自治体
図書館(鈴鹿市立図書館等)や自治体庁舎(伊仙町役場等)、自動車ショールーム等での電子図書・案内用ディスプレイ
- アート・エンターテインメント
長時間のプレイでも視覚疲労を抑えつつ、映画館の座席からスクリーンを見上げるような独特の奥行き感を楽しむゲーミングモニター
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。 詳細な情報をお求めの場合は、お問い合わせください。 Top Image : © 株式会社 協同
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