News
2024.12.13
知財ニュース
AIスマートソックスによる認知症と自閉症の症状抑制へ、クラウドファンディングでの製品化を目指す
認知症や非言語情報の処理に困難を抱える自閉症患者たちが、症状の発現時に強い不安や混乱を経験し、時には攻撃的な行動を示すことがある。この問題に対処するため、英ブリストル大学の研究者たちがセンサー付きソックスを開発し、患者の症状の兆候をリアルタイムで介護者に伝えるソリューションを開発した。
ブリストル大学のロボット工学者であるZeke Steer博士は、曾祖母の認知症の進行を目の当たりにして、この問題に対する解決策を模索し始めた。彼は、発作的な症状の検知とそれを介護者にアラートする仕組みの開発に着手した。
Steer博士とそのチームは、患者たちが快く受け入れられるフォームのウェアラブルデバイスを検討し、日常的に着用されるソックスにセンサーを組み込むアプローチを採用した。このAIスマートソックスは、着用者の心拍数、発汗レベル、動きをモニターし、そのデータをワイヤレスでクラウドサーバーに送信する。AIによる解析が健康状態のモニタリングを助け、問題の兆候が見られた場合は介護者のスマートフォンにアラートを送る。もちろんソックスは洗濯可能だ。
英国の介護施設での実験は、成功を収めたと報告されている。さらにSteer博士とそのチームは、スタートアップ企業Milbotixと連携し、製品化に向けて500人以上の投資家からのサポートを獲得している。
2023年9月26日から開始したクラウドファンディングは、目標の20万ポンド以上の支援を獲得し、目標金額の108%の支援額を達成しており、政府の助成金も取得している。これにより、AIスマートソックスが間もなく介護施設向けに販売される可能性が高まっている。
ブリストル大学の企業・イノベーション担当副学長代理であるMichele Barbour教授は、「スマートソックスは、革新的な機械学習アルゴリズムとセンサー技術を日常的なアイテムに組み込み、認知症患者やその家族、介護者にとって真の変化をもたらす可能性がある」と述べている。
via:New Atlas