News

2021.07.30

知財ニュース

AIと人間の共創を追求するプロジェクト『Dear Glenn』が、世界最大の広告祭「カンヌライオンズ」にてシルバーを受賞

sub3

ヤマハ株式会社がAIと人間の共創を追求するため取り組んだプロジェクト『Dear Glenn』が、2021年6月21日(月)~25日(金)にオンラインで開催された世界最大規模の広告・クリエイティビティの祭典「カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル」において、エンターテインメントライオンズ・フォー・ミュージック部門の「シルバー」を受賞した。

「カンヌライオンズ」は、1954年に創設され、各国の広告・コミュニケーション関連のアワードやフェスティバルの中でもエントリー数・来場者数ともに最大規模を誇る、国際的な広告賞。昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により中止となったため、今年の「カンヌライオンズ」では、2020年度、2021年度の2年分のエントリーを対象に審査が行われた。全28部門に90の国と地域から29,074点のエントリーが集まり、「エンターテインメントライオンズ・フォー・ミュージック」部門においては407点の中から18の受賞作品が選出された。

なお、「カンヌライオンズ」における同社施策の受賞は、今回が初となる。

main

「AIは、どこまで人の心を動かせるのだろう」という問いかけをテーマに掲げた本プロジェクトで発表されたのは、伝説的なピアニストとして知られる故グレン・グールドの演奏をリアルタイムで再現するというもの。

ディープラーニングを使って音源から演奏データを推定し、特有の弾き方、表現を再現。深層学習によって、グレン・グールドが演奏したことのない楽曲も弾きこなせるのが特徴だ。さらに、一緒に演奏する人間の動作や演奏をカメラやマイクで拾って解析し、先読みしながら合奏することもできる。

ヤマハ株式会社はこのAIシステム開発の様子をドキュメンタリーフィルムに収め、2019年にオーストリアの「アルスエレクトロニカ・フェスティバル」で公開。AIシステムによるピアノ独奏や現代の名演奏家との協奏を披露した。

同社はこのプロジェクトを通して、現代のテクノロジーであるAIと人間が互いに刺激し合い、共創する新しい音楽表現のあり方を提示することを目指している。故人の演奏データを用いた新たな演奏の形や、AIと人間による即興セッションなど、テクノロジーと人が融合した音楽の共演が当たり前となる未来は近いかもしれない。

ニュース原文はこちら

Top Image : ©ヤマハ株式会社

広告