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2024.10.15
知財ニュース
Meta、同社初のARグラス「Orion」を発表―視線操作とAIアシスタントで次世代体験
Metaは、9月25日(米国時間)、開発者向けの年次カンファレンス「Meta Connect」でMeta初のARグラス「Orion」を発表した。
同社は、Ray-Ban Metaスマートグラスの開発で、AIを搭載したディスプレイのないスマートグラスという全く新しいカテゴリを切り開いたが、XR業界が長年夢見てきたのは、真のARグラスの実現だったという。今回発表されたARグラス「Orion」によって、Metaはその夢の実現にさらに近づいたとしている。
「Orion」は、音声、視線、ハンドトラッキングと、筋電図(EMG)技術を搭載したリストバンドをシームレスにつなぎ、ユーザーはスワイプ、クリック、スクロールといった操作を簡単に行うことができる。
高性能の繊維と埋込型のEMGセンサーを組み合わせたリストバンドは、わずかな筋肉の動きから発生する電気信号を検知する。内蔵された機械学習プロセッサーがEMG信号を解析して、インプットイベントを生成し、ワイヤレス通信でARグラスに送信する。このシステムは使えば使うほどユーザーに適応し、使用時間とともにより微妙なジェスチャーを認識できるようになる。
大型のホログラフィックディスプレイを使用し、現実世界をキャンバスに、2Dや3Dのコンテンツや体験を好きな場所に配置することが可能だ。またARグラスは、掛けていても他の人の顔や眼、表情をしっかり見ることができる。
「Orion」は、コンパクトな形状でありながら、約70度と最も広範囲の視野角を誇る。この広い視野角により、マルチタスクのウィンドウや、大画面でのエンターテイメント、等身大の人物のホログラムなど、物理世界を見ている視覚とデジタルコンテンツがシームレスに融合し、実に没入感のあるユースケースが可能になる。
レンズは炭化ケイ素という素材で非常に軽量で、光学的アーチファクトや迷光が発生せず、屈折率が高いという特性を備えている。フレームの縁には、7つの極小カメラとセンサーを埋め込んでいる。プロジェクターは非常に小型で電力効率も優れているマイクロLED(μLED)という新しいディスプレイ技術が使用されている。また、同社は、AI、機械認識、グラフィックのアルゴリズムに最適化された、電力効率が非常に高く高度なカスタムシリコンを開発した。
Orion用に開発されたワイヤレスのコンピュートパックは、グラスの処理負荷を軽減し、バッテリー寿命を延ばし、フォームファクターをさらに最適化しつつ、低遅延性も実現する。
スマートアシスタントMeta AIが搭載されており、現実世界で見ているものを理解、視覚化し、利用者をサポートする。Orionは、Ray-Ban MetaスマートグラスでAI体験を実現しているLlamaモデルと、カスタムリサーチモデルを使用し、将来のウェアラブル開発に向けたさまざまなユースケースを実証する。
Top Image : © Meta
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