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2024.02.02
知財ニュース
ジザイエとNTT、タワークレーンの遠隔操作に「IOWN APN」を活用─建設作業の効率化、安全性向上の成果を発表
リアルタイム遠隔就労支援プラットフォーム「JIZAIPAD」を提供する株式会社ジザイエは、NTTのネットワーク技術「IOWN APN」を使用したタワークレーンの遠隔操作実験に成功したことを発表した。
「IOWN APN」は、大容量・低遅延・確定遅延のネットワークサービス。ネットワークだけでなく端末処理も光化する「オールフォトニクス・ネットワーク(APN)」、サイバー空間上でモノやヒト同士の高度でリアルタイムなインタラクションを可能とする「デジタル・ツイン・コンピューティング」、それらを含む多様なICTリソースを効率的に配備する「コグニティブ・ファウンデーション」の3つから構成される。
昨今の建設業界は、一部では「建築バブル」と呼ばれる活況が続き、2025年の大阪万博、2027年のリニア新幹線開業などに向けて、建設業の需要は右肩上がりの成長を続けるものとみられている。しかし、55歳以上の高齢な従事者が3分の1以上を占め、高齢化が進行しているほか、2024年度には時間外労働の上限規制も導入され、深刻な人材不足や長時間労働といった課題もある。そこで同社は、人材不足の解消と作業環境の改善、業務の効率化を目的に、本実証実験を実施した。
実証実験では、「IOWN APN」にジザイエの高解像度・高フレームレートかつ低遅延を実現する独自の圧縮技術を活用。また、竹中工務店の提供するタワークレーンを西日本機材センター(大阪府堺市)に設置し、竹中工務店と鹿島建設、アクティオが共同開発したタワークレーン遠隔操作システム「TawaRemo」を活用して東京から遠隔操作を行った。
なお、同実証では、東京ー大阪間の約500km間で、ジザイエの「JIZAIPAD」に搭載されている独自の映像圧縮技術とAPN技術の組み合わせにより、高画質・低遅延・確定遅延の映像をリアルタイムに伝送できることを実証した。従来の課題であった、時間や場所によってネットワーク接続が不安定になり遅延にゆらぎが発生したり、映像が途切れたりといった問題を克服したという。
同社は今後、他業種への応用や海外展開も視野に、労働環境の改善や業務の効率化、技術伝承など、様々な社会課題の解決に貢献していくとしている。
Top Image : © 株式会社 ジザイエ