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2021.07.06

知財ニュース

「お湯はり完了メロディー」クラシック音楽を含む音声で初めて音商標として登録─身近に潜む意外な音商標

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湯まわり設備メーカーの株式会社ノーリツは、3月29日(月)、当社製給湯器のお湯はり完了時に流れる「人形の夢と目覚め」のメロディーと「お風呂が沸きました」のお知らせの音が、「音商標登録 第6369662号」として商標登録されたことを発表した。

本来、クラシック音楽は視聴して楽しむものであり、「音商標」としての登録が非常に困難とされている。しかし、同社の「お湯はり完了メロディー」は、長年にわたり広く使用されており、容易に企業名を想起することができると認められ、クラシック音楽を含む音声で初めて音商標として登録された。

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特許庁は、企業のブランド戦略の多様化を支援するために、従来の文字や図形に加えて、音商標、動き商標、色彩のみからなる商標など、新しいタイプの商標について2015年4月1日から出願を受け付けている。

その中でも、音商標は登録数の半数以上を占めており、「お湯はり完了メロディー」以外にも、普段私たちが何気なく聴いている以下のような音が商標として登録されている。

イオン株式会社「WAON(ワオン)」

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「WAON(ワオン)」はスーパーやコンビニエンスストアなどのお店で使える「電子マネー」。このWAONを使って買い物をする時に鳴る音も、商標として登録されている。いくつかの音を同時にきれいに鳴らす「和音」という言葉が由来となっており、「楽曲としてのみ認識される音等の要素だけで構成されているわけではない」と審査官から判断され、商標登録に至った。

久光製薬株式会社「HISAMITSU」

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商品の宣伝というと、イラストや文字など、目で見える方法を使ったものが一般的だが、久光製薬株式会社は、会社の名前をメロディにのせたサウンドロゴを作成し、主力の宣伝法として使い続けてきた。企業名である「ヒサミツ」という言葉が含まれているため、商標の登録性が判断しやすく、出願から7ヶ月弱で登録査定されているとのこと。日本のみならず海外でも登録されており、有名な音商標の一つと言えるだろう。

ライオン株式会社「キレイキレイ」

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ハンドソープ「キレイキレイ」シリーズの音商標。「キレイキレイ」の音が鳴ることで、手洗い習慣を思い出させるなど、記憶に残るような音にこだわりを持つ。言葉と音階がセットの音として商標登録された。

ブランドとの親和性が高いメロディは、言葉以外のブランド発信手段として、存在価値が高まっている。次はどのような音が新たに商標登録されるのか、今後も注目していきたい。

「お湯はり完了メロディー」のニュース原文はこちら

「お湯はり完了メロディー」の特許ページはこちら

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Top Image : ©株式会社ノーリツ

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