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2021.06.21
知財ニュース
宮崎大学研究チームがAIとAR技術を活用した「豚の体重が見える眼鏡」を開発、国際特許も出願
宮崎大工学部の川末紀功仁(きくひと)教授を中心とする研究チームが、AI(人工知能)とAR(拡張現実)技術を活用した「豚の体重が見える眼鏡」を開発した。
家畜の体重を測定することは生育状況や出荷の目安を知るために重要だが、労力の問題から、多くの家畜農家では目視のみで体重を推定している。また、豚は1日で餌3キロ、水15リットル以上を摂取するため、体重の変動も大きく、正確な測定は難しい。
今回開発された眼鏡は、測定用3Dカメラと数値情報を表示する眼鏡型の装置「スマートグラス」などで構成されている。頭に装着するだけで、3Dカメラから得た豚の体型データと標準モデルを比較し、AIを用いて豚肉の取引価格に影響する枝肉重量を測定することが可能だ。誤差は数%以内とのこと。眼鏡に映し出されたデータをもとに、出荷適正体重(115kg)に達した豚のみを出荷エリアに移動させるため、これまでの方法と比較すると安定した体重測定が可能となり、農家の負担軽減が期待される。
現在国際特許を出願中で、2年以内の製品化を目指しているそうだ。
Top Image : ©宮崎大学