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2023.02.28
知財ニュース
シンガポール政府、教育現場での「ChatGPT」などのAIツールの利用を容認
シンガポール政府のChan Chun Sing教育相は、現地時間2月6日、国会の答弁でChatGPTなどの生成AIツールの教育現場での利用を検討していることを発表した。
ChatGPTは、OpenAIによって開発された自然言語処理のAIモデルで、大量のテキストデータを学習することでテキスト生成や文章理解などの自然言語処理を実行できる。 2023年2月よりMicrosoft社の検索エンジン「Bing」と、同社のWebブラウザ「Edge」にて自動回答の提供を開始し、回答精度の高さが話題となっている。
Chan氏は、AIツールの普及が進む中、学校や高等教育機関(IHL)がAIツールの仕組みを学生に理解させて効果的に活用することで、学習効果の向上につなげなくてはならないと述べた。教育省ではすでに、そのための「指針とリソース」を教育関係者に提供しているという。
なお、学生によるテクノロジーの悪用や盗用のリスクについては、誠実であることの重要性や盗用がもたらす結果を学生に認識させることが重要としている。また、学校側も学生の習熟度を評価したり、AIによって生成された特徴のない答案を見つけ出したりと、さまざまな手続きを採用しているという。
一方、シンガポール政府では、ChatGPTが学習に役立つのは、あくまで学生が基本的概念と思考力を身につけている場合に限られるとしており、決まり切った答えではなくさまざまな結果が生じうる世界の中でツールを学ぶ重要性を学生に指導しなければならないとしている。また、同政府では、基本的概念の教育を通して、テクノロジーツールに過剰に依存しないよう指導することも必要であると述べている。
Top Image : © OpenAI