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2022.06.13
知財ニュース
日本初、AIが書いた脚本の短編映画が映画祭出品─ストーリー生成AI「フルコト」を使用
株式会社Alesが開発したストーリー生成AI「フルコト」が脚本を書き、東京藝術大学大学院映像研究科による映像プロダクション・株式会社トリクスタと東京藝術大学が制作した短編映画「少年、なにかが発芽する」が、第17回大阪アジアン映画祭でのプレミア上映を経て、SSFF & ASIA 2022オンライン会場のオープニング作品として世界配信された。
フルコトは多数の候補文の中から「P-S-L技術」(特許出願中)によって適切な文を選択して脚本を生成する。P-S-L技術とは、(P)プロットライングラフ、(S)感情分析、(L)ログラインの3つの要素を複合的に評価することで、人間が理解できるストーリーを起・承・転・結に則して作成する技術だ。
そんな技術を搭載したストーリー生成AI「フルコト」が今回脚本を務めた短編映画「少年、なにかが発芽する」は、日本で初めてAIが脚本を書き、映画化された作品となる。株式会社トリクスタと東京藝術大学が芳泉文化財団の研究助成、文化庁ARTS for the future! の補助を受けて制作した。
監督を務めた渡辺裕子氏は、「フルコトが一瞬で生成したこのシナリオは、人間の未知の創造的力を引き出すポテンシャルを感じるものであり、本当にエキサイティングな体験だった」と語る。
今後AIの学習能力がさらに向上することにより、人間の発想を超える優れた脚本の制作が実現することが期待されている。
Top Image : © 株式会社 Ales