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2022.02.15
知財ニュース
Adobeが「営業業務のデジタル化状況」を調査―最もデジタル化が遅れている業務とは
アドビ株式会社は2021年11月25日から12月1日、国内のビジネスパーソン1,500名を対象に、営業職の業務デジタル化状況に関する調査を実施し、その調査結果を公表した。
営業職の主要5業務(経費精算/出退勤記録/日報などの報告書/社内稟議書類/社外との契約書)を調査し、業種別に比較。その結果、最もデジタル化が進んでいなかった業務は「契約書などの社外との押印、決裁業務」で、手書き署名や判子・捺印などの紙ベースで処理していると回答した割合は全体の62.5%という結果になった。
また業種別で見ると、紙で処理する割合が最も高いのが「不動産業」で73.3%、次いで「電気・ガス・熱供給・水道業(72.6%)」、「卸売り・小売業(70.5%)」などは7割以上が契約を紙で処理している実態が明らかになった。
一方で「保険業」では、紙で処理していると回答した割合は36.1%と低く、電子署名/電子サイン利用率も27.8%(不動産では11.3%)とデジタル化が最も高い結果となり、業種によって差があることが明らかになった。
こうした背景には、新型コロナウイルスの流行に伴い、大手生命保険会社らが生命保険などのオンライン販売を開始し、非対面型営業を積極的に取り入れたことが大きな要因だと想定されるという。一方、不動産業界では法規制により紙の契約書の提出が求められているため、紙でのやり取りが多く残っているためと考えられる。
主要5業務で電子署名/電子サインを用いていると回答した人を対象に、電子署名/電子サインを利用して良かったと感じる点を聞いた調査では、「テレワークができるようになった(31.9%)」という回答が最多で、電子署名/電子サインの導入がテレワークを促進している現状も明らかになった。
一方、電子署名/電子サインの利用において困っている点の回答結果は、「取引先で電子署名/電子サインツールが採用されていない(29.2%)」という回答が最多となり、約3割が相手先の問題となっていることが明らかになった。
なお、アドビ株式会社 法務政策渉外本部 本部長 浅井孝夫氏は、2022年5月の改正宅建業法の施行に伴い不動産業界でも一部電子手続きでの対応が可能となることから、紙の手続きの多い不動産業界の状況が大きく変わることを予測。業務の電子化、効率化には、法改正を含む行政の動きが関わってくると考えていると述べている。
Top Image : © アドビ 株式会社