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2025.11.10
知財ニュース
Nike、世界初の電動フットウェアシステム「Project Amplify」を発表―ロボティクスで歩行を支援

Nikeは、世界初のランニング&ウォーキング向けパワーアシストフットウェアシステム「Project Amplify」を発表した。
「Project Amplify」は、下腿部と足首が自然に動くよう設計された電動式のフットウェアシステムだ。より少ないエネルギーでより長く快適に歩いたり走ったりできることを目的としている。
ロボティクスパートナーのDephy社と共同で開発したシステムで、記録更新を目指す競技ランナー向けではなく、より少ないエネルギーで、より速く、より遠くへ進みたい人のために設計されており、もうひとつのふくらはぎを得たようなパワーをもたらすと位置付けている。通勤時の歩行距離を伸ばしたり、もう1〜2キロ長くランニングを楽しむことを後押しする。
システムは、軽量で高出力のモーター、ドライブベルト、それらを駆動する充電式カフバッテリーで構成されている。これらは、カーボンファイバープレートを搭載した専用ランニングシューズに統合されており、電動システムを外した状態でも通常のシューズとして使用できる。
Nikeは、「電動自転車が移動距離を広げたように、Amplifyは人の歩行・ランニングの“持久力”を広げることを目指している」と説明している。このシステムは競技記録の更新を狙うアスリート向けではなく、日常的により快適に動くことを求めるユーザー層を主な対象としている。
また、開発段階では、異なるレベルや年齢層のアスリートを対象に検証を実施。公式発表によれば、400人を超える被験者が9種類の試作ハードウェアを用い、延べ240万歩以上(NSRLの200メートルトラック約12,000周分に相当する距離)を歩行・走行した。
被験者からは「坂道でも平地を歩いているような感覚」「自分の脚の一部のように自然」といった感想が寄せられているという。テストの結果、1マイル(約1.6 km)のタイムを約12分から10分へ短縮した例も報告されている。
Nike Sport Research Lab(NSRL)のディレクター、トム・ドナヒュー氏は、「私たちは常に『動くことこそが最良の薬』だと信じています。Project Amplifyは、その物語の次の章です。一歩一歩のストライドに直接パワーを注ぎ込む、未来への大胆な飛躍なのです」と述べている。
「Project Amplify」は、まだテスト初期段階だが、今後数年のうちに一般展開を目標に掲げている。
Top Image : © Nike


