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2025.08.07

知財ニュース

深海無人探査機「うらしま8000」、水深8015.8mへの到達に成功―国内の自律航行する無人機として史上最深

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海洋研究開発機構は、深海無人探査機「うらしま8000」が、国内で開発した自律航行する無人機として史上最も深い水深記録となる、水深8015.8mへの到達に成功したと発表した。

日本は広大な深海を持ち、日本が排他的経済水域(EEZ)内で保有する水深6000m以上の水域の面積は世界一であるにもかかわらず、これまでの潜水能力は有人潜水調査船「しんかい6500」の水深6500mが限界だった。今回の成功は、これまで調査が難しかった超深海域への扉を開く、画期的な成果となる。

「うらしま8000」は、母船とケーブルが繋がっておらず、事前に緯度経度、深度などを“シナリオ”として設定すると、潜航後はプログラムされたルートをシナリオどおりに航行し、海底地形データ等を取得する自律型無人探査機(AUV)だ。

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水深8000mという過酷な環境で約30時間活動でき、およそ1m以下の解像度という高解像度で、海底の地形や地質構造を鮮明に捉えることができる。併せて、海底面下数十メートルまでの構造データを取得できる。

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さらに、母船とは高速の音響通信で連携し、探査中にリアルタイムに近い形で指示変更やデータ送信も可能なため、調査の効率と精度が飛躍的に向上するという。

同探査機は来年度以降の本格運用を目指しており、将来的には海底資源の探査や地震研究といった防災分野での活躍が期待されている。

深海無人探査機「うらしま8000」の詳細はこちら

Top Image : © 海洋研究開発機構

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