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2021.08.31
知財ニュース
渋谷区に声で操作する非接触の公共トイレ「Hi Toilet」が誕生、国内外のクリエイターが参画するプロジェクト「THE TOKYO TOILET」
東京都渋谷区の七号通り公園に、手を使わずにすべての動作を声で指示する「ボイス・コマンド」がコンセプトの公共トイレ「Hi Toilet 手をつかわないトイレ」が設置され、一般利用が開始された。
このトイレは、日本財団が主催する、誰もが快適に利用できる公共トイレを渋谷区内17カ所に設置するプロジェクト「THE TOKYO TOILET」の一環として設置されたもの。トイレは日本が世界に誇る「おもてなし」文化の象徴である一方で、多くの公共トイレが「暗い」「汚い」「臭い」「怖い」といった理由で利用者が限られているのが現状だ。「THE TOKYO TOILET」で設置するトイレは、参画する国内外のクリエイターによってデザインされており、性別、年齢、障害を問わず誰もが快適に利用できる公共トイレに生まれ変わらせ、多様性を受け入れる社会の実現を目指している。これまでに参画したデザイナーは、建築家の隈研吾氏、伊東豊雄氏、クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏など。優れたデザイン・クリエイティブの力で、インクルーシブな社会のあり方を広く提案・発信している。
鍋島松濤公園トイレ(デザイン・隈研吾氏)
今回設置された「Hi Toilet」はTBWA\HAKUHODOのチーフクリエイティブオフィサー・佐藤カズーがデザインしたもので、プロジェクト内では12カ所目の設置となる。「Hi Toilet」の非接触というコンセプトは、「60%がトイレのレバーを足で踏んで流し、50%がトイレットペーパーでドアを開き、40%がお尻でドアを閉め、30%が可能な限り肘を使い手の接触を避ける」という欧米のとあるトイレに関しての調査結果からスタートしたとのこと。3年がかりでリサーチとプランニングが行われ、音声認識技術を採用してトイレにおける全ての行動を音声で行うボイスコマンド式のトイレにたどり着いたそうだ。
トイレの設計・施工は大和ハウス工業が担当し、トイレの現状調査や設置機器・レイアウトの提案はTOTOが協力している。音声認識によるボイスコマンドの開発ではBirdmanが協力。ドアの開閉やウォシュレット、トイレの水洗、手洗いが話しかけるだけで可能になる。他にも、トイレ内に音楽をかけることもでき、腸を活性化する音楽も用意されている。
コロナ禍の前から取り組んでいたアイデアであったが、非接触トイレという今までにないUXで日本の公共トイレの凄みが世界に伝わるとしている。
クリエイター 佐藤 カズー氏のコメント
世界の公共トイレでは約60%がトイレのレバーを足で踏んで流し、約50%がトイレットペーパーでドアを開き、約40%がお尻でドアを閉め、約30%が肘を使い手の接触を避けると言います。この”どこにも触れたくない”というインサイトを新しいUXにしました。声で指示するだけで非接触に用が済ませるだけでなく、音楽をリクエストすれば、腸を活性化する音楽も流れてきます。また、建築の構造を円形にすることで匂いが滞留しないよう空気の流れもデザインしました。トイレはついにここまできたかと感じてもらえることでしょう。
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「THE TOKYO TOILET」公式サイト
Top Image :©日本財団