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2025.10.30

知財ニュース

セブンイレブンがAIロボット導入へ―テレイグジスタンスとVLAモデル搭載「Astra」共同開発

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株式会社セブン‐イレブン・ジャパンは、ロボティクス企業 テレイグジスタンス株式会社(TX) と、生成AIを活用した小売業向けヒューマノイドロボット「Astra(アストラ)」の開発・検証を進める包括的パートナーシップを締結した。両社は2029年頃の実用化・店舗導入を視野に入れ、次世代店舗の省人化・効率化を目指す取り組みを本格的に開始する。

Astraには、Vision-Language-Action(VLA)モデルと呼ばれる次世代ロボット基盤AIが実装される予定だ。このモデルにより、ロボットがカメラ映像から状況を認識し(Vision)、指示文や自然言語を理解して計画を立て(Language)、自ら動作を制御する(Action)という一連の処理を統合的に行えるようにする。

セブン‐イレブンでは、レジカウンター内の高頻度作業、商品補充、簡易調理といった店舗業務の自動化を想定。ロボットが繰り返し業務を担うことで、従業員が接客や売場演出などの「人にしかできない」仕事に集中できるようにする狙いがあるという。

少子高齢化による労働力不足を背景に、小売業では店舗運営の省人化・効率化が課題となっている。セブン‐イレブンはこれまでも自動釣銭機やセルフレジなどの導入を進めてきたが、今回のロボット活用は次のステップとして位置付けられる。

テレイグジスタンスは既に、飲料補充を自動で行うロボット「Ghost」を複数のコンビニ店舗で運用しており、遠隔操作やAI学習に必要なデータ収集基盤を構築済み。今回の提携では、Ghost運用で蓄積された実店舗データと、セブン‐イレブン側の膨大な店舗業務データを統合し、AIとハードウェアを垂直統合的に最適化していく方針だ。

今後、両社は店舗業務の中でロボットによる自動化が可能な領域を特定し、その効果を検証しながら、現場の声を反映したヒューマノイドロボットのハードウェア開発を進め、VLAモデルの学習と実装を進めるための大規模な動作データの収集・構築を行っていく予定。

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Top Image : © テレイグジスタンス 株式会社

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