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2022.10.21
知財ニュース
ナイキがサステナブルなプラットフォーム「ナイキ フォワード」を発表─製造過程でカーボンフットプリントを平均75%削減
ナイキ(NIKE)は、アパレル生産に変革を起こす画期的なイノベーション・プラットフォーム「Nike Forward」(ナイキ フォワード)を開発したと発表した。この生産工程は従来のニット(編み物)や織物素材の生産工程よりも少ないステップで、従来のニットフリースと比較して平均75%のカーボンフットプリント削減を実現したという。
今回ナイキが発表した新作シリーズ「ナイキ フォワード」は、ナイキの30年以上にわたるサステナビリティ志向のイノベーションに加わる最新技術で、未来の循環性を念頭に作られた新たなプラットフォーム。今後同社が進む方向を表現するべく「Forward(前へ)」の名前が与えられた。
ナイキは、5年以上もの時間を費やして「ナイキ フォワード」を研究・開発。従来の編み物や織物のように、複数の段階を経る工程(紡糸・紡績、編み、裁断、縫製など)ではなく、ニードルパンチで繊維から直接テキスタイルを作る手法で繊維素材生産の工程を簡素化し、エネルギーの節約を実現した。従来のニットフリースよりもカーボンフットプリントを平均で75%削減することに貢献したとのこと。
また、「ナイキ フォワード」の素材は従来のニットフリースよりも密度が低く、製品重量の70%の再生原料を用いることが可能になった。素材は超薄型のニードルパンチ層を複数組み合わせており、それぞれの層は、暖かさや柔らかさなど、特定の機能を追求して設計。微調整することで素材に異なる性能を持たせられるという。
最初に展開される商品はフーディとクルーの2タイプ。端が未加工のままのポケットや露出した縫い目など、製造工程で生じる廃棄物を減らし、未来の循環性の促進に役立つデザインが意図的に取り入れられた。また、同社のサステナブルな姿勢に基づき、このフーディは装飾や染料工程を省いており、水の使用量をゼロに抑えている。
第一弾の商品は2022年9月17日から、NIKEアプリ、NIKE.COMおよび一部のNIKE販売店で現在販売されている。
Top Image : © 株式会社 ナイキジャパン