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2022.06.01

知財ニュース

住所がわからなくても3つの単語だけで119番通報の位置を特定─「Smart119」が世界的位置情報アプリ「what3words」と連携

smart119

千葉大学発の医療スタートアップ株式会社Smart119は、同社の提供する救急医療情報サービス「Smart119」に、位置情報を3つの単語だけで伝達できる技術「what3words」を組み込むことで、119番通報者の居場所をピンポイントで特定する新機能の開発に着手したことを発表した。救急システムへの導入は日本初となる。

「Smart119」は、救急指令センター、救急隊、病院間の情報をリアルタイムで共有することで相互機関の連携強化につなげる、音声認識とAIを活用した救急医療支援システム。今回このサービスに、3つの単語をアドレスとして正確な位置情報を簡単に伝える位置情報技術「what3words」が導入されることとなった。

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「what3words」では、世界中を3m×3mの正方形に区切り、それぞれの正方形に3つの単語を組み合わせた「3ワードアドレス」を設定し共有することによって、3つの単語だけで、山間部や過疎地など住所だけでは特定できない場所でも、正確な位置情報を共有することができる。

使用する流れとしてまず、救急指令センターへの119番通報の入電後、通報者に「Smart119」のシステムを経由して、通報者にSMSで位置情報確認のための専用URLを送信。そのURLにアクセスし、表示された通報者の位置を示す3つの単語を通話でオペレーターへ伝達することで、オペレーターがが3つの単語をコンピューター上で入力し、通報者の正確な位置を把握することができるようになる。

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通報地点の迅速な特定は、救急要請を受診時に最初に必要となる重要な項目であるが、山間部や過疎地、広大な公園内など、大きな建造物や特徴的な地形等の目印がない場所では、119番通報者からの口頭による説明のみで通報地点を特定することが困難であり、救急隊の現場到着に遅延が発生するなど、迅速な救命救護活動に支障が生じる可能性がかねてより指摘されていた。

救急システムへの「what3words」導入は日本では初の試みであり、本運用の開始後には、119番通報の入電から救急隊の出場までの時間短縮が見込まれ、救命率の向上などの効果が期待されている。

what3wordsの位置情報システムとしての汎用性は非常に高く、メルセデス・ベンツ、三菱、日立、ナビタイムなど、世界中の多くの公共機関や企業がwhat3wordsをサービスに組み込んでいる。同社では今後、救急搬送効率化を目指した実証実験においてテスト運用を開始するとしている。

ニュース原文はこちら

株式会社 smart119 公式サイト

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Top Image : ©︎ 株式会社 Smart119

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