【活動報告】52%の眠れる特許から新規事業を共創。「idea Landscape」を活用した北九州・産学共創プロジェクトが完走

知財図鑑は、公益財団法人北九州産業学術推進機構(FAIS)、北九州市立大学、西日本シティ銀行と連携し、「地域知的財産×大学×生成AIによる価値創造エコシステム構築プロジェクト」を実施しました。2026年1月15日には、約4ヶ月間にわたる伴走型プログラムの集大成となる最終成果発表会が開催され、学生と地域企業による新規事業アイデアが披露されました。
なお、本プロジェクトにおける新規事業のアイデア創出には、知財図鑑が展開するAI共創プラットフォーム「idea Landscape(旧:ideaflow)」を活用しています。
取り組みの背景とアプローチ
現在、国内の特許権の約半数(52%)が未利用のまま眠っていると言われています。R&D部門を持たない地域の中小企業にとって、専門的な既存特許から新規ビジネスを構想することは難しく、大学の研究成果も論文や特許として蓄積されるにとどまりがちでした。
この「専門知識と発想力の壁」を越えるため、本プロジェクトでは知財図鑑が開発した生成AIプラットフォーム「idea Landscape」とデザイン思考を活用しました。難解な特許情報を誰もが理解できるビジネスアイデアへと変換し、特許を「選べる・試せる・語れる」ものへとアップデートする試みです。
産学官金、4つの歯車が噛み合う共創体制
本事業は、以下の4者が明確な役割分担のもとで連携する「産学官金」の共創モデルを採用しました。
FAIS(北九州産業学術推進機構): 事業全体の管理運営および実証モデルの推進。
知財図鑑: メイン講師としての講義・ワークショップ設計。生成AIプラットフォーム「idea Landscape」の提供。
北九州市立大学: 正規講義「環境問題事例研究」へのプログラム実装と学生リソース(アントレプレナーシップ教育)の提供。
西日本シティ銀行: 地域中小企業へのネットワーク提供および事業性評価の視点提供。
正規講義への実装と、学生×企業の「化学反応」
最大の特徴は、単発のイベントではなく、北九州市立大学1年生の正規講義「環境問題事例研究」(全15回)にプログラムを完全実装した点です。学生12チーム・約60名が、スターフライヤーや三菱総研DCS、サイエンスパークなどの地域企業と約4ヶ月間にわたり伴走しました。
学生たちは「idea Landscape」を駆使して難解な特許を読み解き、数百のアイデアを生成。そこへ企業メンターから「初期導入コストの壁」や「データの扱い」といった実務的なフィードバックをぶつけることで、AIの出力を人間の批判的思考で磨き上げる「化学反応」が生まれました。
【創出された新規事業アイデア(一例)】
Case 01:学びと遊び×分別・リサイクル実践アプリ 西原商事の特許「廃棄物一元管理システム」を活用し、小中学生をターゲットにした環境教育アプリを構想。AI画像認識によるゴミ判別やクイズ機能を搭載した機能要件定義書まで作成しました(共創企業:三菱総研DCS)。
Case 02:地域の廃プラスチックから循環型の燃料活用へ FAIS保有の「廃プラスチックの効率的分解方法」を活用。規格の厳しい航空燃料ではなく、空港内の地上支援車両への燃料活用へと転換し、コストや規格の壁を乗り越える地産地消モデルを提案しました(共創企業:スターフライヤー)。
Case 03:QRコードが紡ぐ食の安心 サイエンスパークの「安全なクラウドストレージアクセスシステム」を応用。食の生産から販売までの履歴をQRコードでトラッキングし、学食での実証実験から大手飲食チェーンへの導入を見据えたビジネスモデルを構築しました(共創企業:サイエンスパーク)。


■ 本プロジェクトの全貌をまとめた「成果報告書」を無料公開中
企業×大学×AIによる新規事業創出のプロセスや、実際に学生チームが作成した事業計画書の詳細をまとめた公式ブックレット(成果報告書)を無料でダウンロードいただけます。自社の知財活用やオープンイノベーションのヒントとしてぜひご活用ください。
【資料に収録されている主な内容】
眠れる特許を事業アイデアに変える「生成AIの活用プロセス」
学生チームが構想した具体的な新規事業アイデア(全3ケース)
参加企業(新規事業・経営企画担当者)からのリアルなフィードバック
今後の展望:北九州から日本全土へ
本事業は九州経済産業局の支援を受け、5年間で地域に定着し自走する知財エコシステムの構築を目指しています。2025年度の実証実験(PoC)を皮切りに、2030年には「北九州モデル」として全国の地方大学へ横展開可能な仕組みの完成を目指してまいります。
企業が持つ知財、大学の教育、そして学生の行動力がAIによって結びつくことで、技術は単なる「教材」から地域の未来を創る「資源」へと変わります。知財図鑑は今後も、知財とAIを掛け合わせたオープンイノベーションの伴走支援を推進していきます。
■ 関連リンク
学生と企業が共創した「特許×AI」プロジェクト密着レポート:
https://chizaizukan.com/pickup/ideaflow/5vgJZoWFJRExo06mgKR8Jm知財図鑑のAI共創プロジェクトに関するニュース:
https://chizaizukan.com/news/QHhh425cb8Hh





