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2024.06.06
知財ニュース
Climeworks、アイスランドで最大規模のCO2回収施設「マンモス」稼働開始―年間36,000トン回収目指す
スウェーデンのベンチャー企業・Climeworks社は、アイスランドにてこれまでで最大の直接空気捕集および貯蔵プラント「マンモス」の運用を開始した。マンモスは、その前身であるオルカと比較して約10倍の規模を誇る。この施設は年間最大36,000トンのCO2を捕集する設計がされており、初期段階でCO2の捕集を成功させている。現在、総数72のコレクターコンテナのうち12が設置済みだ。
マンモスの CO2収集コンテナ – 1 つの基礎の上に 3 つ積み重ねられている
Climeworksはアイスランド以外にも米国において複数のメガトンハブの開発を進めており、ルイジアナ州のプロジェクトサイプレスが米国エネルギー省から最初の5,000万ドルを受けている。また、ノルウェー、ケニア、カナダでのプロジェクトも進行中だ。
この最新のプラント「マンモス」は、低温熱源としての熱水を必要とする直接空気捕集プロセスを動力化しており、再生可能エネルギーで動力を供給している。CO2がフィルターから放出されると、ストレージパートナーであるカーブフィックスがCO2を地下に輸送し、天然のプロセスによって玄武岩と反応して石化し、永久に貯蔵される。
さらに、ClimeworksはR&Dに継続的な投資を行い、現場での経験を通じて技術を最適化し、成熟度を高めている。実際のプラントの建設を迅速に連続して行うことで、直接空気捕集を核としたカーボンリムーバル企業としての地位を確立している。
2030年までのロードマップでは、メガトンハブの展開に焦点を当てている。Climeworksは米国エネルギー省から公的資金を受け、3つのメガトン直接空気捕集ハブの提案を進めている。その中で最大のプロジェクトであるルイジアナ州の「プロジェクトサイプレス」には、プロジェクト開始のために最初の5,000万ドルが付与された。Climeworksは、全世界的な規模での展開を目指し、ノルウェー、ケニア、カナダでのプロジェクトを積極的に開発している。
Top Image : © Climeworks