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2024.09.25
知財ニュース
SpaceXが新型宇宙服を開発、初の民間船外活動を成功―宇宙探査を一歩前進
SpaceXは、同社が開発した宇宙服を使用して、民間初の船外活動を実行し、成功したと発表した。
今回の船外活動は、「ポラリス・ドーン」というミッションの取り組みだ。2024年9月10日に4人を乗せたSpaceXの宇宙船「クルードラゴン」が打ち上げられ、軌道上で約5日間過ごした後、9月15日にフロリダ沖に無事着水。ポラリス計画初の有人宇宙飛行ミッションを完了した。5日間のミッション中、乗組員は「クルードラゴン」からSpaceX初の船外活動を行った。
乗組員は、地球から約700キロメートル上空で、SpaceXが開発した船外活動 (EVA)の宇宙服を着用して、史上初の船外活動を実行した。船外活動は、ジャレッド・アイザックマン氏とミッションスペシャリストのサラ・ギリスの2名が行ったとのこと。
この宇宙服の開発と船外活動の実行は、将来の長期ミッションにおける宇宙服のスケーラブルな設計に向けた重要なステップになるとしている。
今回開発された宇宙服は、現在の船内宇宙服をアップグレードした宇宙服で機動性を念頭に開発されたのだという。新しい素材、製造プロセス、斬新なジョイントデザインを取り入れ、加圧された状況でも宇宙飛行士に高い柔軟性を提供しながら、加圧されていない状況でも快適さを維持する。
3Dプリントされたヘルメットには、まぶしさを軽減する新しいバイザーが組み込まれているほか、スーツの圧力、温度、相対湿度に関する情報を提供する新しいヘッドアップディスプレイ(HUD)とカメラも組み込まれている。
宇宙服には、宇宙遊泳中の信頼性と冗長性を高めるための強化機能も組み込まれており、スーツの加圧状態とクルーの安全を確保するためにシールと圧力バルブが追加されている。
Top Image : © Space X