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2022.12.21

知財ニュース

岩谷技研の自社開発気球、有人飛行で目標高度100メートル成功─「気球による宇宙遊覧旅行」目指す

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“気球による宇宙遊覧旅行” を目指す旅客技術開発会社・岩谷技研は2022年11月18日、北海道幕別町の大規模農園敷地内で、自社開発の気球を使った有人飛行試験を実施し、目標高度100mを超える102.3mまでの飛行に成功した。

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同社では、2022年2月26日福島県相馬市で初めて行った目標高度30mの有人係留飛行試験成功を皮切りに、北海道内外の実験場で係留飛行訓練をほぼ毎月実施している。以来、延べ30名以上の所員が実験キャビンに搭乗し、飛行訓練と実証データの収集・蓄積を行ってきた。

9月12日には北海道余市町の「アップルポート余市」で高度30mでの(非係留)自由飛行の試験に成功。十分な安全が担保されたことを確認し、自社製有人ガス気球で、安全に高度目標に到達できるかなどを目標に、今回は目標高度100mに進んだ。

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同社では、この度の成功を経て、12月中旬に500m自由飛行試験を計画中。来春までに高度4,000mへの自由飛行試験を実施する予定とのこと。

■100m自由飛行試験概要
ー目的ー
① 対地高度100mへの到達:地上との接続のない自由な飛行で、自社製有人ガス気球を用い、安全に高度目標に達することができるかの検証
② 飛行能力の検証:予測値と実測値との検証
③ 気球コントロールの検証:気球制御機構の評価

ー詳細ー
午前4時に試験サイト到着後、速やかに実験機材を展開。ヘリウムガスの封入が完了したのち、パイロットバルーン(風速風向を測定するバルーン)による気流観測を実施。
続いて、安全検証のため無人飛行試験を行い、機器類の確認を実施。
午前8時過ぎよりテストパイロットが搭乗し、有人飛行を実施。今回の実験での目標高度100mを超え、102.3mまで到達したところで降下、軟着陸を実施。その後、計3回飛行試験を実施した。

ー結果ー
① 対地高度100mへの到達可否:
試験回数: 無人試験 3回, 有人試験 3回
最大到達高度: 無人試験 94.2m, 有人試験 102.3m
② 飛行能力の検証:実測値は試算値に概ね同様の傾向を示した。電磁弁の排出能力実測値を基に今後さらに経時変化予測の精度向上を見込み、性能向上を図る。
③ 気球コントロールの検証:事前に機体の鉛直方向運動を一定の精度で予測することが可能となった。

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株式会社 岩谷技研 公式サイト

Top Image : © 株式会社 岩谷技研

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