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2022.06.16

知財ニュース

川崎フロンターレ、サイン入りユニフォームの転売抑止AIシステムを導入

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IoTやAIを融合したソフトウェア開発を行う株式会社エフィシエントは、サイン入りグッズの画像判定を行う「転売抑止AIエンジン」を独自に開発。2022年5月23日より川崎フロンターレでの導入・運用開始により、営利目的での転売を抑止し、ファンへサイン入りグッズを適正なプロセスで提供していく。

本転売抑止AIエンジンは、取り込んだサイン入りユニフォームの画像からサイン部分の抜き出しと特徴量抽出を行い、識別・判定し、配布前に撮影した画像データベースと照らし合わせて検出を行う。システム開発にあたり、類似度計算するモデル構築のために生成された画像82000枚、サインを検出するモデル構築のための実画像1000枚、そして生成画像1000枚の合計2000枚以上をAIを活用したディープラーニングエンジンにより学習させ、精度を向上させた。実際のサイン入りユニフォームを利用した実証実験では、正解率97%以上の判定精度を達成している。ユニフォームの柄などサインが被るケース、斜めに撮影された画像にも対応が可能だ。サイン入りユニフォーム、サイン色紙などが解析の対象物となる。

サッカークラブやプロ野球チームが公式に提供するサイン入りグッズの営利目的での入手・転売は、コロナ禍で選手のサインが直接もらえないことも重なり高額転売につながっており、スポーツ業界において重要な課題問題となっている。選手本人が言及するSNSも散見されるなど、転売仲介サイトやフリマアプリによってグッズが適正なプロセスでファンに届かない現状は、ファン、選手、スポーツ団体に損失をもたらしている。さらにフリマサイトなどに流通するサイン入りグッズの中には、偽物も混在しており、サインを識別するための新たな対処策が求められている。

株式会社エフィシエントと川崎フロンターレは今後、今回の転売抑止AIエンジンの実運用を開始し、共同で検出精度の向上および転売仲介サイトやフリマサイトなどで転売されているサイン入りグッズ、出品者特定を行い、類似度検索の精度向上を進めていく方針だ。

また、今後はNFT技術を導入し、グッズの所有者を管理しながら適正なプロセスにより、グッズの価値を担保していくことを検討するとのこと。その他、スポーツ領域に限らず、サインが行われるエンターテイメント領域など、他領域に転用し、転売を抑止し営利目的ではなく本来のファンが適正なプロセス、価格で手に入れることができる社会を目指していく。

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Top Image : ©︎ 株式会社 川崎フロンターレ

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