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2025.09.22
知財ニュース
子どもの弱視をVRで訓練する医療機器がCRB承認―小児弱視をゲームで視力改善

InnoJin株式会社は、「VRを用いた小児弱視訓練用プログラム医療機器(未承認)」の効果に関わる多機関特定臨床研究のCRB承認を取得したと発表した。
臨床研究法に基づく特定臨床研究の実施に向け、認定臨床研究審査委員会(CRB)の承認を2025年8月26日付で取得した。今後は準備が整い次第、複数の医療機関と連携し、特定臨床研究を開始する。
同社が開発しているプログラムでは、子どもたちがVRゴーグルを着用し、けん玉、卓球、テニスといったゲームを通じて、楽しみながら自然に訓練できる環境を提供し、ゲームを楽しみながら自然に視力訓練を行えるようになる。
現在、複数の医療機関と連携し、VRを用いた小児弱視訓練用プログラム医療機器 (未承認)の効果に関わる特定臨床研究および実用化に向けた取り組みを進めている。将来的には、医療機関を通じて家庭でも実施可能な弱視訓練プログラムとしての提供を実現していくとしている。
弱視は、一眼または両眼の視力が十分に発達しない疾患であり、小児における発症率は約1-5%とされている。日本国内には約21万人の弱視患者が存在し、その社会的損失は約2.2兆円にのぼると推計されている。
弱視に対する治療は、完全矯正眼鏡の装用と、眼鏡装用で効果が不十分な場合などはアイパッチなどを用いた「健眼遮閉」を実施することが一般的だ。しかし、健眼遮閉はよく見える方の目を塞いで実施するため、子どもの心理的・物理的な負担が大きく、治療の継続が困難になるケースも少なくない。さらに、子どもの視覚機能の発達には10歳ころまでに「感受性期」というものが存在し、この期間を逃すと、十分な治療効果が得られない可能性もあるという。
こうした課題を背景に、InnoJin株式会社では仮想現実 (Virtual Reality, VR)技術を活用した革新的な弱視訓練用プログラム医療機器の開発に取り組んでいる。
現在、複数の医療機関と連携し、VRを用いた小児弱視訓練用プログラム医療機器 (未承認)の効果に関わる特定臨床研究および実用化に向けた取り組みを進めている。将来的には、医療機関を通じて家庭でも実施可能な弱視訓練プログラムとしての提供を実現していくとしている。
Top Image : © InnoJin 株式会社