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2025.04.17
知財ニュース
眼球の動きでクルマの運転能力を測定、AIが事故リスク予測―高齢者の事故防止へ「MEDEMIL Drive」発売

株式会社MEDEMILは、眼の動きを分析することで運転能力を測る革新的な装置「MEDEMIL Drive®」を4月1日より販売開始した。長距離運転を行うバス、タクシー、トラック事業者や、社会問題となっている高齢者の自動車事故削減への貢献を目指して開発されたもの。
同装置は、数百名のドライバーの過去の事故データと眼球運動の情報を学習した「自動車運転能力評価AI」と独自のアルゴリズムにより、運転に必要な目の機能だけでなく、認知力、注意力、判断力といった脳の機能まで複合的に、かつ迅速かつ簡便に評価できるのが特徴。
運転能力を測るモードの他に、視界の測定に特化した「視界測定モード」や、ゲーム感覚で楽しく眼球運動や奥行き知覚をトレーニングできる「視界測定モード」も搭載されている。
同装置は、2024年7月1日から先行受注販売が行われていたが、その後のハードウェアとソフトウェアの改良を経て、今回の正式販売に至った。ハードウェア面では、様々な視力の人々に対応できるよう視力矯正機構が追加され、耐久性も向上。安定した量産体制も確立された。運転能力評価AIとアルゴリズムについても、眼球運動と交通事故リスクに関する新たなエビデンスに基づき測定内容と解析方法が見直され、より高精度な測定が可能になっている。
運転能力レポートも進化し、インターネット接続時には運転能力スコアの「世代別全国平均」と「同世代内でのランキング」が表示されるように改良されたほか、インターネットに接続していない場合でも、装置内のローカル平均とランキングが表示される。さらに、個々の測定結果に応じて、安全運転のための具体的なアドバイスが自動で生成される機能も追加され、日々の運転改善に活用できるという。
新たな測定項目として、運転に重要な「明暗への順応」能力を測る機能も搭載された。これにより、明るさの変化への対応力などを詳細に分析することができ、低下している場合には、車間距離を保つ、トンネルの出入り口で減速する、「トワイライト・オン運動」を意識するといった対策が推奨されている。
ソフトウェア面では、インターネットに接続することで常に最新のソフトウェアに自動更新される機能が追加され、利便性が向上。また、セキュリティ上の理由でインターネット環境がない場合でも利用できるよう、スタンドアロン設計が維持されており、オフラインでのソフトウェア更新も個別にサポートされるという。
加えて、複数の事業所での利用やイベントでの活用といった要望に応えるため、専用の運搬用キャリーケースも開発された。キャリーケースと本体を同時に購入した場合、本体の保証期間が一定期間無償で延長される特典も用意されている。
Top Image : © 株式会社 MEDEMIL