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2024.12.19

知財ニュース

頭皮にタトゥーをプリントして脳波を測定できる「e-タトゥー」、導電インクで脳波測定―不快感を解消

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テキサス大学オースティン校とカリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究者らが、頭皮に一時的にデジタル印刷をして脳波を測定できる「e-タトゥー」を開発した。

脳波検査(EEG)は、神経疾患の診断や脳コンピューターインターフェースの促進に不可欠だが、ウェットジェルや扱いにくいケーブルを使用する従来の方法では、手間がかかり、長時間使用すると信号が劣化したり不快感が生じる。

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「e-タトゥー」は、患者の頭部の表面に直接インクを印刷して脳波を測定できる技術だ。カメラを使用して個人の頭部の形状をデジタルでマッピングし、ロボットプリンターで導電性インクを患者の頭部に噴射する。

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このインクは導電性ポリマー材料である「ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン):ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT:PSS)」をベースにしたインクだ。従来のEEGシステムに伴う不快感がなく、快適で長期にわたる高品質の脳活動モニタリングが可能になるのだという。

5人の被験者でテストが行われ、「e-タトゥー」は使用後、シャンプーで洗う、またはアルコールで拭き取れば落とすことができた。

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しかし、これまでのところ髪の毛の短い患者でしか成功しておらず、研究者たちはより長い髪の患者にも適用できるようにすることを目標にしている。また、現時点ではシャワーを浴びているときや寝ているときにインクが擦れて落ちてしまうため、インクの耐久性を向上させることも目指していくとしている。

ニュースリリースはこちら

研究論文はこちら(Cell Biomaterials)

Top Image : © テキサス大学 オースティン校

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