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2025.09.25
知財ニュース
パナソニック、日本初の「毛髪キューティクル診断システム」を開発―1本の毛髪から髪のダメージをAIで定量評価

パナソニック株式会社 くらしアプライアンス社は、香川大学との共同研究により、日本初となる独自の毛髪キューティクル診断システムを開発した。髪の表面を覆うキューティクルの状態を、1本の毛髪から広範囲にわたって詳細に分析し、客観的な数値で髪の健康状態を評価できる画期的なシステムだ。
従来のキューティクル分析機器の視野と比べて100倍以上となる50 mm範囲を5分で評価可能で、毛髪の前処理が不要で評価できるシステムとして日本初となる。(2025年7月22日時点、パナソニック調べ)
今回開発されたシステムには、香川大学が開発したナノ触覚センサが搭載されており、毛髪に接触させながらスキャンすることでキューティクルの形状や摩擦力を正確に計測する。
従来の分析機器では、毛髪の切断などの前処理が必要でごく限られた範囲しか評価できなかったが、新システムは毛髪の前処理が不要で、従来のキューティクル分析機器の視野と比べて100倍以上となる50mmという広範囲をわずか5分で評価できる。さらに、毛髪の専門家による官能評価を学習させた独自のディープラーニングモデルにより、人の指先の感覚に近い繊細さで髪のダメージレベルを数値化できるという。
同システムを用いることで、髪の根元から毛先にかけてダメージが蓄積していく様子や寝返りなどによる摩擦ダメージ、高浸透ナノイー&ミネラル搭載ドライヤーによる摩擦ダメージ抑制効果なども定量的に確認された。
キューティクルは髪内部の水分や栄養を守る重要な役割を担っているが、一度剥がれると再生しないため、髪のパサつきや枝毛などの原因となる。新システムは個人の髪の状態を詳細に把握することで、よりパーソナルなヘアケアの提案や、新たな技術開発への貢献が期待されている。
パナソニックは今後もこの技術を活用し、一人ひとりに合わせたヘアケア習慣の提案と技術革新を進めていく方針だ。
Top Image : © パナソニック 株式会社
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