News
2023.08.03
知財ニュース
NTT東日本、744km離れた東京・函館間の遠隔手術実証実験─ロボットでの胃切除のデモを公開
NTT東日本は2023年7月13日、第78回日本消化器外科学会総会にて、遠隔手術社会実証試験に参画。遠隔手術をサポートする通信インフラの検証を行った。
少子高齢化における医療の課題や医療資源の地域格差是正の鍵となることが期待されている遠隔手術。
遠隔手術支援が実現することで、患者はロボットを用いた先端手術をあらゆる場所で受けられるようになるほか、長距離移動に伴う体力的・経済的な負担を回避する、地域の若手外科医の医師育成にもつながることから、日本外科学会において遠隔手術ガイドラインが策定されるなど、社会実装に向けた準備と実証研究が進められている。
NTT東日本では、遠隔医療の社会実装に低遅延・高セキュリティで汎用性のある通信ネットワークが不可欠であると考え、日本外科学会が推進する遠隔手術実証に通信キャリアとして参画。
実証実験では、東京ー函館間(約740km)をNTT東日本が提供するギャランティ回線で接続し、メディカロイド社の手術支援ロボット「hinotori サージカルロボットシステム」を用いた遠隔での操作環境を構築。函館アリーナの術者がサージョンコックピットを操作することで、手術拠点であるMIL東京に設置されたオペレーションユニットの遠隔操作を行い、人工臓器モデルを用いた胃切除を実施した。
同社では今後、地域住民が地域にいながら高度な医療を受けられ、安心して暮らしていける社会の実現に向け、関係者と連携し、遠隔医療の早期社会実装に向けて取り組むとしている。
Top Image : © 東日本電信電話 株式会社