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2021.08.23
知財ニュース
トヨタの未来都市「Woven City(ウーブン・シティ)」が着工、2025年に入居開始予定
トヨタ自動車とウーブン・プラネット・ホールディングス(以下:ウーブン・プラネット)は2021年2月23日、トヨタ自動車東日本の東富士工場跡地(静岡県裾野市)に隣接する旧車両ヤードにおいて、「Woven City(ウーブン・シティ)」の建設へ向けた地鎮祭を実施した。
地鎮祭には静岡県の川勝平太知事や裾野市の髙村謙二市長など地元関係者を来賓に迎え、トヨタの豊田章男社長、ウーブン・プラネットのジェームス・カフナーCEO、TMEJの宮内一公社長ら16人の関係者が出席。本格的に開始される建設工事の安全を祈願した。
ウーブン・シティは2020年1月に開催された「CES2020」において、トヨタ自動車の豊田章男社長が発表した未来都市。あらゆるものがネットワークでつながる「コネクティッド・シティ」をインフラから建設していくことが明らかにされた。
建設地は東富士工場跡地である70.8万平方メートルに及ぶ広大な敷地で、最初は希望者を募り、2025年には高齢者や子育て世代ら360名程度が入居予定。将来的にはトヨタ従業員を含む2,000人程度が暮らす街になるとしている。
ウーブン・シティで展開されるプロジェクトには、人々が実際に生活を送るリアルな環境の下で、自動運転をはじめ、MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)、パーソナルモビリティ、ロボット、スマートホーム技術、AI技術などの導入や検証が含まれる。
【Woven Cityの主な構想】
・街を通る道を3つに分類し、それらの道が網の目のように織り込まれた街を作ります。
1)スピードが速い車両専用の道として、「e-Palette」など、完全自動運転かつゼロエミッションのモビリティのみが走行する道
2)歩行者とスピードが遅いパーソナルモビリティが共存するプロムナードのような道
3)歩行者専用の公園内歩道のような道
・街の建物は主にカーボンニュートラルな木材で作り、屋根には太陽光発電パネルを設置するなど、環境との調和やサステイナビリティを前提とした街作りを行います。
・暮らしを支える燃料電池発電も含めて、この街のインフラはすべて地下に設置します。
・住民は、室内用ロボットなどの新技術を検証するほか、センサーのデータを活用するAIにより、健康状態をチェックしたり、日々の暮らしに役立てたりするなど、生活の質を向上させることができます。
・e-Paletteは人の輸送やモノの配達に加えて、移動用店舗としても使われるなど、街の様々な場所で活躍します。
・街の中心や各ブロックには、人々の集いの場として様々な公園・広場を作り、住民同士もつながり合うことでコミュニティが形成されることも目指しています。
技術やサービスの開発と実証のサイクルを素早く回すことで、新たな価値やビジネスモデルを生み出し続けることを最大の目的としており、すでにCESでは建築材としての木材の採用、太陽光発電、燃料電池を使った電力インフラ、雨水のろ過システム、センサーやAIを使った住民の健康管理などの構想が披露された。
なお、ウーブン・シティは“進化し続ける街”と位置付けられているため、完成時期については明らかにされていない。
今後どのような追加情報が発表されるのか、楽しみにしつつ注視していきたい。
Top Image : ©トヨタ自動車