No.524
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2021.12.14
多様なソリューションで廃プラ・廃食用油を資源循環
資源循環技術 by 日揮ホールディングス
概要
「資源循環技術 by 日揮ホールディングス」とは、世界的にも注視されている廃プラスチック・廃食用油のリサイクルをあらゆるソリューションで解決する日揮ホールディングスの技術群である。製品プラスチックのリサイクル推進の動きが世界中で広まっているが、従来のマテリアルリサイクルの技術では処理可能な廃プラスチックの質に限界があり、これ以上リサイクル率を上げることは困難である。また、航空業界においても、世界的な温室効果ガス排出量削減への解決策として、高いCO₂削減効果を持つ次世代航空燃料「SAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)」の安定的な供給が求められている。日揮グループではこれらの難題と対峙し、不純物の多い廃プラスチックを処理可能なケミカルリサイクル技術(油化・ガス化)およびSAFの商用規模での供給システムを活用することで「適材適所でのリサイクル」を実現させ、廃プラスチック・廃食用油が完全循環される世界を目指している。
なにがすごいのか?
日揮グループの持つ資源循環の多様な技術メニューにより、顧客ニーズに合わせて適材適所で技術を提供し、プロジェクトをマネジメントする総合エンジニアリング力
ケミカルリサイクルの分野において、「油化」では国内で唯一の10年近い商業運転の実績、「ガス化」では世界で唯一の20年近くの長期商業運転実績を有する技術群を保持
「SAF」の供給において、海外でのSAF取引価格と比較して競争力のある製造コストを実現
なぜ生まれたのか?
日揮グループは、総合エンジニアリングや機能材製造を軸として、持続可能性に資する技術をコアとするバリューチェーンの構築に積極的に取り組むことで、地球規模の課題解決を目指している。
廃プラスチックにおいては、容器包装リサイクル法の普及に伴い容器プラのリサイクルが現状行われているが、昨今の潮流や新プラ法案に従ったマテリアルリサイクルでは対応できない製品プラ(おもちゃやハンガー)のリサイクルのニーズが生じている。しかしながら、既存のマテリアルリサイクルの技術では対応可能な原料に制限があるため集めてもリサイクルできない技術的課題があった。そこで不純物の多い雑プラでも処理可能な油化・ガス化技術に着目して生まれたのが「油化」「ガス化」技術である。
さらに、世界的な脱炭素の流れの中で、航空セクターも例外なくCO₂削減への貢献が求められているが、大型であることから電動航空機などへの実用化にはまだまだ時間がかかる。日揮グループは航空セクターのCO₂削減に直接的に寄与できる「SAF」の製造需要増加を想定し、バイオ燃料製造のノウハウおよび原料調達ネットワークを持つレボインターナショナル社、ジェット燃料製造・品質管理等のノウハウをもつコスモ石油社と共にSAFの製造を計画している。
妄想プロジェクト 妄想プロジェクト
身の回りの日常が資源循環技術によって成り立つ、未来の循環型社会
廃プラスチック・廃食用油をリサイクルすることが社会共通の行動理念として一般家庭や日常の中に溶け込んでいけば、身の回りの資源が循環され、新たな製品やサービスの創出につながる等、よりよい生活へ姿を変えていくだろう。
例えば、飛行機で移動する際の燃料や内装の一部までをケミカルリサイクルでまかなうことができるようになるかもしれない。窓の外の未来の街並みでは、人の生活空間と自然、リサイクル工場とその文化が自然な形で溶け込んでいる。飛行機の燃料は廃食用油であり、乗客がゆったりもたれるそのシートや手にするエコボトルは廃プラスチックからリサイクルされたものであり、廃棄原料から生まれた製品やサービスを利用することが人々の意識の中でスタンダードとなっている。多様な原料を高効率にリサイクルできるこれら技術の進化と普及が続くことで、リサイクルのコストや環境負担は軽減され、持続可能な産業と人々の暮らしが共存した循環型社会が構築できるだろう。
実現事例 実現プロジェクト
昭和電工KPR(KAWASAKI PLASTIC RECYCLE)
昭和電工KPRとは、使用済みプラスチックを用いたアンモニア製造事業。種類や材質が異なるプラスチックは焼却処分すると有害物質であるダイオキシンが発生することが問題となってきた。日揮グループが、荏原環境プラント株式会社、宇部興産株式会社および昭和電工株式会社からライセンスを受けているEUP「ガス化」技術が用いられている昭和電工のプラスチックケミカルリサイクルは、家庭や企業で一度利用され商品価値のなくなった使用済みプラスチックをガス化し、肥料やアクリル系の繊維等、さまざまな工業製品の原料となるアンモニアを製造している。
なぜできるのか?
PVC・PETも同時に処理できる「油化」
「油化」では、他の油化技術では処理が難しいPETやPVC(ポリ塩化ビニル)が混入したプラの処理が対応可能で、生成した熱分解油はプラ原料として既存の製油所・石油化学プラントに供給することでリサイクルを達成する。
高効率かつ多様な原料に対応する「ガス化」
「ガス化」では、マテリアルリサイクルでは対応できない不純物の多い廃プラスチックの処理が可能。廃プラからクリーンエネルギーである水素や、アンモニア・プロピレン等の多様な製品を生成できる。原料プラをガス化させる低温ガス化炉と、生成ガスの精製を行う高温ガス化炉の2種類のガス炉の組合せによって多様な原料への対応・高効率な転化率を実現している。
商用規模での供給を実現する「SAF」
SAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)は石油由来ジェット燃料と比較して、原料と製法によっては80%以上と非常に高いCO₂削減効果を持つ。日揮グループは、原料廃食用油の収集からSAFの製造、空港への供給までを担う各事業者とパートナーリング(協創)することにより、国内で初めてとなる商用規模でのSAF製造を実現し、サプライチェーンの構築が可能となっている。
相性のいい産業分野
- 資源・マテリアル
リサイクル原料となる廃プラの排出元となる製造メーカーや自治体、廃棄物業者と供給提携による、ステークホルダーの廃棄物の有効率改善に寄与
- 環境・エネルギー
リサイクル素材を要望しているメーカーやクリーンエネルギーを要望しているインフラ企業への販売
- IT・通信
リサイクルの際に必須となるトレーサビリティをチップやセンサーで管理・可視化するためのIT企業等との連携
原料である廃棄物の効率的な回収経路検討、品目・素材毎の選別を可能とするセンサーや機械学習などを手掛けているIT企業等との連携
- 製造業・メーカー
バイオナフサ(SAF製造装置からの連産品)からのグリーンケミカル品の製造
低炭素なプラスチック製品の製造
- 住宅・不動産・建築
リサイクル・回収・アップサイクルという一連の流れが文化として一般家庭に根付いたスマートシティや都市設計
- ロボティクス
住宅街に設置されたボックスに入れられたプラスチックゴミや廃棄衣類を自動で回収する、ケミカルリサイクル・巡回ロボ
- 流通・モビリティ
製造したSAFを航空機に給油し、利用することによる航空業界脱炭素への貢献
航空業界顧客の満足度向上に寄与
物流事業者のScope3のCO₂排出量削減に寄与
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。
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