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2025.08.01

知財ニュース

オリーブオイルなどの食用油で作られた完全に食べられるマイクロレーザーの開発に成功

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スロベニアとギリシャの研究チームが、食用の材料のみで作られた食べることができるマイクロレーザーの開発に成功した。今回開発されたマイクロレーザーは、食品の外観や味を変えることなく、安全に摂取でき、環境に優しい製品なのだという。

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研究チームは、食用可能な材料のみを使用したマイクロレーザーの実験を実施した。この実験は、食べることができるレーザーを作成し、それを食品や医薬品に関連するさまざまな用途に適用することを目的として実施された。

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研究チームはマイクロレーザーの材料に、オリーブオイルやヒマワリ油などの食用油の液滴、その他にもバターなどさまざまな食用油を使用して実験を行った。液滴とは表面張力で液体が丸くなる状態のこと。この液滴にレーザー光を当てると、液滴が光を発する。

さらにオリーブオイルやヒマワリ油には、クロロフィルと呼ばれる葉緑素が含まれており、このクロロフィルが光を吸収し、光子を連鎖的に作り、レーザーとして機能する。とくに、オリーブオイルには、他の物質を加えなくても、レーザーとして使用できる量のクロロフィルが自然に含まれているのだという。

また、レーザーの光は液滴のサイズや密度などで光の状態も変化するとのこと。

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この開発されたマイクロレーザーで糖度や酸性度、細菌の増殖などの検知なども高精度で検知することが可能だ。レーザーによる情報の埋め込みもでき、従来のパッケージに貼り付けられたバーコードやセンサーとは異なり、このマイクロレーザーは食品に直接埋め込むことができる。製造元情報や賞味期限などの情報の埋め込みもできるのだという。

研究論文はこちら

Top Image : © Abdur Rehman Anwar

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