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大阪・関西万博
2025.09.18
知財ニュース
大阪・関西万博で「未来のロボット展 Geared by V-Sido」開催―アスラテックが初公開を含む5体のロボットを公開

大阪・関西万博の会場で、アスラテック株式会社が主催する「未来のロボット展 Geared by V-Sido」が開催される。同展示会では、同社が開発するロボット制御システム「V-Sido」で駆動する、初公開を含む5体のロボットが展示される予定。
「未来のロボット展 Geared by V-Sido」は、9月16日から9月28日までの13日間、大阪・関西万博会場のエンパワーリングゾーンにある「ロボット&モビリティステーション」で開催。アミューズメント、モビリティ、建設など幅広い分野でロボット開発に携わってきたアスラテックが、「人に寄り添う未来のロボット」をテーマに、複数のコンセプトロボットを公開するというものだ。
展示されるのは「HL-ZERO」「SR-02 Ver. GOI」「BALGOI」「ハルモニア・コンパス」「にゅーすけ」の5体。特に大型ニューマティックロボット(※1)「HL-ZERO」と、「ハルモニア・コンパス」は、初の一般公開として注目を集めている。
(※1 ニューマティックロボット:空気圧を利用して外形を作り、骨組みで動かすという新しいコンセプトのロボット)
「HL-ZERO」は、約4mの大型ニューマティックロボット(※)。SF作品のメカデザイナー天神英貴氏とエア着ぐるみを手がけるピアニジュウイチとの共同開発により、滑らかに駆動するアミューズメント用の大型ロボットだ。
今後、さまざまなデザインの大型ニューマティックロボットが商業施設や大規模イベントなどで活躍することを見込んでおり、本ロボットはそのリファレンスモデルとなる。巨大ロボットやモンスターなど、版権作品とのコラボレーションも予定。
「SR-02 Ver. GOI」は、4人が搭乗して歩行できる世界で唯一(アスラテック調べ)の巨大4脚ロボット。ガンダムオープンイノベーション(※2)の成果として、未来のモビルスーツ技術実現を目指して作業用大型アームを搭載する。アミューズメント分野での活用のほか、作業用ロボットへの技術発展も視野に入れている。
※2 ガンダムオープンイノベーション
バンダイナムコグループが推進するサステナブルプログラム一環で、人気アニメシリーズ『機動戦士ガンダム』の世界観の背景にある「宇宙世紀」を現代に捉えなおし、「社会課題」と「未来技術」の掛け合わせにより未来の夢と希望を現実化するプログラム。
「BALGOI」は、将来、宇宙などで作業を行う小型モビルスーツをイメージした、操縦可能なロボット。ガンダムオープンイノベーションの「モビルスーツの社会実装に向けた新しい操縦ロボットのプロトタイピングプロジェクト」で製作された。バイラテラル操作による直感的なロボット操縦が可能。
身長: 約40cm / 重量: 約5kg / ロボット制御システム: V-Sido
「ハルモニア・コンパス」は、ハルモニウム※4が開発中の、人の旅に寄り添う大型6脚ロボット。機械学習などとの連携により人とのインタラクションを行う。旅のパートナーとしての活用や不整地の荷物搬送での活用を目指す。独立行政法人情報処理推進機構が実施する2025年度上期 未踏アドバンスト事業において、「大型六脚ロボットによる適応的行動獲得システムの開発」プロジェクトとして採択されている。
全長: 約2.5m / 重量: 約50kg / ロボット制御システム: V-Sido
「にゅーすけ」は、ピアニジュウイチ、アスラテックの2社が製作したニューマティックロボット試作機。関節の駆動にアスラテックの制御技術、外装にはピアニジュウイチのエア着ぐるみの技術を活用することで、人とロボットが安全に触れ合えるロボットを実現した。外装のキャラクターをアレンジすることで、店舗のディスプレイやキャラクターグリーティングなど、さまざまな場所での活用を目指す。
身長: 約1m / 重量: 約8kg / ロボット制御システム: V-Sido
これらのロボットは全て、アスラテックが開発したロボット制御システム「V-Sido」によって駆動する。
同展示会は、大阪・関西万博の未来社会ショーケース事業における「スマートモビリティ万博」の一環として実施される「ロボットエクスペリエンス」の一部であり、次世代のさまざまなロボットが実装・実証される場となる。
アスラテックは、V-Sidoを核としたロボティクス技術で様々な企業とコラボレーションし、「ロボットと人が共存できる社会」の実現を目指して活動していくとしている。
Top Image : © アスラテック 株式会社