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2021.03.05
知財ニュース
アニメ原画販売にブロックチェーン技術を活用する「AniPic!」が約4,000万円の資金調達を実施
世界的に人気を博している日本のアニメ。海外展開や動画配信、映画などが好調となり、2019年のアニメ産業の市場規模は、2兆5000億円余りと過去最高を更新しています。
このような状況の中で、アニメ作品のワンシーンや原画の高解像度デジタルデータを収集できるコレクションサービス「AniPic!」(アニピク!)などを運営するYUIMEX(ユイメックス)は2月19日、シードラウンドにおいて、第三者割当増資による約4,000万円の資金調達を実施したと発表しました。引受先は、ANOBAKA(旧KVP)、iFund、Upstart Venturesの3社。
今回調達した資金により、AniPic!をはじめとするデジタルプラットフォーム構築、マーケティングの強化を図り、AniPic!ブランドのテクノロジーを活かした新たなグッズプロダクトや、アニメ・マンガ作品向けのデジタル美術館サービスもAniPic!内にローンチを予定しているとのこと。
「AniPic!」は「もっとダイスキなアニメを、いつも側に。」をサービスコンセプトにしたブロックチェーン技術によるアニメコンテンツの販売サービス。著作権者の許諾に基づき、アニメのワンシーンや原画の高解像度デジタルデータを販売することで、アニメ作品を中心にアニメ・マンガなど、ファンの好きなキャラクターやシーンをコレクションして楽しむことのできるプラットフォームとなっています。
本サービスでは、NFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)を用いることでデジタルブロマイドのオリジナリティを担保し、購入者がコンテンツを所有している事実証明や作品の真贋証明を行うことが可能となっており、アニメのワンシーンや原画の高解像度デジタルデータをコレクションするという新しいアニメの楽しみ方が実現しました。
昨今、アニメ産業においてブロックチェーン技術を活用する動きは進んでいます。これまでにも、「進撃の巨人」「STEINS;GATE」「けものフレンズ」などの人気作品のアートワークがデジタル所有権として販売されてきました。ブロックチェーン技術を用いたこの販売方法は、ファンがアニメスタジオやクリエイターを支援できるだけでなく、市場の健全化にも効果的です。AniTech領域の発展によって、日本のアニメ業界が抱える著作問題の解決と権利の保護が期待されます。