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2023.05.09

知財ニュース

「宇宙へ1日2便」も可能なロケット飛行機「Mk-II Aurora」─初のロケット推進飛行試験に成功

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ニュージーランドの航空宇宙ベンチャーDawn Aerospaceが、ゆくゆくは地上と宇宙間で1日2便の運行を目指すロケット飛行機「Mk-II Aurora」の初めてのロケット推進飛行試験を完了した。機体は全長4.8mと自動車程度の大きさで、開発中の後継機「Mk-III」の技術実証機としての役割を与えられている。

同社は、一般的な飛行機同様、ロケットを滑走路で離着陸させることを検討。「Mk-III」では最大250kgの人工衛星を搭載して離陸、高度100kmで2段目ブースターに点火し地球低軌道(LEO)までペイロードを輸送する能力を備える計画になっており、質量1トンまでの積荷を宇宙弾道飛行(準軌道飛行)で運ぶことも可能とのこと。

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Mk-II Auroraは3月29日から31日にかけて1日1回ずつ、計3回のロケット推進飛行を行い、一連の試験飛行では、最高速度196mph(315km/h)の飛行速度を達成し、高度6000フィート(1830m)にまで上昇した。これは、2021年にテスト用のジェットエンジンを搭載したMk-II Auroraで達成したときと大差ない記録であるが、同社のチーム曰く「主要なシステムと機能を検証する」ことが目的だった。

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なお、同社は滑走路の使用のため、2020年12月にニュージーランド運輸省から運用許可を取得した。これは、仮に打上げ事故が起こった際に二次災害を引き起こす可能性があり、ロケットが大気圏を脱出するまで発射場周辺の空港で離着陸を待機させる必要があるためである。

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同社は「Mk-III」の前に、1日2回の離着陸を目標に、「MK-II」の商用化を目指している。同社のステファン・パウエルCEOは「ロケット飛行機業界のCO2排出量の大部分はその製造過程に由来し、「Mk-III」 飛行システムは、96%を再利用可能になるよう設計されている。これは、持続可能な未来の実現の鍵になる」と述べている。

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「Mk-II Aurora」詳細ページ

Top Image : © Dawn Aerospace

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