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2024.03.12
知財ニュース
NASA研究から着想─骨密度改善デバイス「Osteoboost」、振動で骨粗しょう症予防に貢献、日本展開も視野
「Osteoboost」はNASAの研究に着想を得て開発された、振動で骨密度を改善するベルト型のウェアラブルデバイスだ。このデバイスは骨粗しょう症など、骨密度が低下する病気の予防や改善を目的としている。日常生活で気軽に使用できることが大きな特徴で、ベルトを腰に装着し、ボタンを押すだけで振動が始まり、股関節と腰椎に穏やかな振動を送り、骨密度の低下を抑制する。
このデバイスの開発背景には、宇宙飛行士が長期間無重力空間で過ごすことにより、骨密度の低下を経験するというNASAの研究がある。無重力空間での生活において確認された骨密度の低下の問題を解決するために、振動を利用した治療法が考案され、その技術がOsteoboostに応用された。
このデバイスは、日常的に1日30分間、週5日以上使用することで、骨密度の低下を効果的に抑えることが臨床試験で確認されており、米国食品医薬品局(FDA)からも認証を受けている。
Chan et al.、2013。骨粗鬆症の予防と治療のための非薬物療法としての振動の潜在的な利点と固有のリスク。Curr Osteoporos Rep 11: p. 36-44。
日本における骨粗しょう症の有病率は世界でも特に高く、50歳以上の人の20%以上がこの病気に悩まされている。デバイスの開発企業であるBone Health TechnologiesのCEO、Laura Yecies氏によれば、日本は非常に重要な市場であり、今後、日本の企業とパートナーシップを結び、製品を展開する計画があるとのこと。
日本での販売開始時期はまだ明確ではないが、日本当局の薬事承認次第だという。
Osteoboostが日本市場に導入されれば、骨粗しょう症の予防と治療において新たな選択肢となり得ると期待がかかる。
Top Image : © Bone Health Technologies.