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2024.06.04
知財ニュース
竹中工務店、関西万博でファミリーマートのスマート店舗トレーラーを試験導入
竹中工務店は、日立ハイテク、株式会社クロコアートファクトリーと共同で進めてきた環境配慮型スマート店舗トレーラーの実用化において、ファミリーマートの店舗運営のもと、竹中工務店が工事中の大阪・関西万博工事現場内への試験導入を開始することを発表した。
環境配慮型スマート店舗トレーラーは、竹中工務店が開発した、工事敷地内を自由に移動しつつ工事事務所としての機能を発揮する「牽引式オフグリッド型モバイルハウス」をベースに設計されている。
クロコアートファクトリーのマルチコンテナトレーラーおよびMOKUJIKUを活用して、開放的で機能的な店舗デザインとし、日立ハイテクによる、ソーラーパネルと蓄電池および制御機器からなる自立電源システムを導入している。
トレーラーは、公道走行時は別途牽引車によって移動し、工事敷地内での移動は、市販の駆動装置を装備し、リモコンによる低速移動が可能。
広大な敷地の工事現場において、工事の進捗や工事従事者数に合わせて販売場所を柔軟に移動し、商品やサービスを提供することもできる。
既設の電源や通信設備、または電気や通信のインフラが無い場所でも、ソーラーパネルと蓄電池および制御機器からなる自立電源システムと衛星インターネット(スターリンク)の搭載により、自立通信が可能。
ソーラーパネルで発電した電気は蓄電池に充電され、モバイルハウス内の空調設備や事務機器などに必要な電気を供給するという。
広大な敷地で進められている大阪・関西万博の建設工事において、同社は、工事現場で働く建設技能労働者がより良い環境で働けるよう、2023年6月に仮設事務所に固定型のファミリーマートを誘致した。
ただ、建設工事は日々の進捗に合わせ、現場で働く技能労働者数も変動するため、今回新たに、柔軟に販売場所を移動できる環境配慮型スマート店舗トレーラーを試験導入する。
今回の試験導入は、建設工事における執務環境の改善、生産性向上に貢献する取り組みとして位置づけ、その効果を検証した上で、大阪・関西万博以外の工事現場への活用・展開も検討されるという。
同社は今後、今回の試験導入の効果の検証とともに、建設業界におけるイノベーションを追求し、より効率的で持続可能な建設工事を推進していくために、積極的な取り組みを展開していきたい、と抱負を述べた。
Top Image : © 株式会社 竹中工務店