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2025.01.07
知財ニュース
TBWA HAKUHODO、年間約20万トン廃棄されるホタテ貝殻を活用した新素材「SHELLTEC」を開発
株式会社TBWA HAKUHODOと甲子化学工業は、年間20万トン近く廃棄されるホタテ貝殻を資源として活用した新素材「SHELLTEC」を共同開発した。
貝殻に含まれる炭酸カルシウムに着目し、廃棄プラスチックやコンクリートなどと組み合わせることで、強くて環境に優しい素材を実現。新品のプラスチックと比べてCO2排出量を最大36%削減、曲げ強度を約33%向上。また、石灰岩由来のエコプラスチックと比べても、最大20%のCO2削減が期待できる。
SHELLTECはすでにヘルメット「HOTAMET」やテトラポッド「HOTATETRAPOD」として製品化されてきたが、今後も貝殻本来の役割である「守る」を軸に、様々な製品への素材展開が進められていく予定。
同プロジェクトは、TBWA HAKUHODOのクリエイティビティを社会課題解決に役立てようという理念に基づき、有志のアイデアからスタート。2022年に発表されたHOTAMETは、貝殻が人の命を守るヘルメットに生まれ変わるというコンセプトと、生物模倣に基づいた革新的なデザインで、カンヌライオンズ金賞をはじめ数々の賞を受賞し、世界的な注目を集めた。
その後も、「HOTATETRAPOD」や「HOTABENCH」など、プロダクトラインナップを拡大し、循環資源の未来を提案し続けている。
SHELLTECおよび関連製品は、2024年12月初旬に開催された環境展示会「エコプロ2024」で展示され、3Dプリンターによるデモンストレーションなども行われた。
Top Image : © 株式会社TBWA HAKUHODO