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2024.10.31
知財ニュース
電通、「AIえほん」を期間限定で無料公開―子どもが覚えた言葉からAIが絵本を自動生成
電通は2024年10月25日、子どもが覚えた単語を入力すると、AIが物語を自動生成するサービス「おぼえたことばのえほん」を公開した。同社の社内横断組織で、教育のためのAI活用を研究する「AIうえおLab(あいうえおらぼ)」が構築。子どもの言葉の世界を広げることを目的とした「AIえほん」プロジェクトの第一弾として、2024年10月25日~11月9日までの期間限定でプロトタイプを無料公開する。
「おぼえたことばのえほん」は、子どもが覚えた言葉を軸に、AIが関連ワードや「よこ」「うえ」「した」といった周辺にあるものを導き出して絵本を生成する。絵本のタイトルは「〇〇がみているせかい」となり、例えば、「いぬ」の場合「いぬがみているせかい」として、「ほね」「そら」「くさ」などのワードでストーリーをつくる。
子どもは絵本を通じて、覚えた言葉の周辺にある新しい言葉やつながりを知ることが可能。言葉を覚え始める1歳以降の子どもの読み聞かせなどで、言語習得のきっかけになることを目指しているという。
サービスは、スマートフォン・タブレット端末・PCなどから利用できる。なお現状ではプロトタイプのため、ひらがなやカタカナの一部は入力できないなどの制限がある。
手がけた「AIうえおLab」は、電通社内のことば・デザイン・テクノロジーの専門家を中心に構成。さらに、様々な企業や団体が参加し、子どもの教育に役立つAIの使い方を考えるラボとして、楽しく学べる教育コンテンツの開発などを進めている。開発のベースには、電通グループの「"人間の知(=Intelligence)"と"AIの知"の掛け合わせによって、顧客企業や社会の成長に貢献していく」というAI戦略「AI For Growth」がある。
「AIえほん」は今後、シリーズ展開を検討する。「おぼえたことばのえほん」の商品化や、第二弾以降の企画を見込む。また今後の展開にあたって、共同開発パートナーや参画企業を募集している。
Top Image : © 株式会社 電通