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2024.09.19
知財ニュース
米粒より小さい眼圧センサー「iOP-Connect」、人体埋め込みに成功―緑内障治療を変革
米国企業Injectsense社は、米粒より小さい埋め込み型の眼圧センサーの「iOP-Connect」を開発した。2024年8月には、初の人体への埋め込みと、ワイヤレス眼圧(IOP)測定に成功したと発表している。 今年8月には、初めて同製品の人体移植を成功させたと発表した。
視神経損傷を引き起こし、視力低下を引き起こす緑内障は、はっきりとした原因は解明されていないが、眼圧(IOP)の上昇が主な原因だとされている。緑内障は世界中で失明の原因の第2位となっており、日本人の中途失明原因では第1位なのだという。
緑内障の治療の有効性を評価する際、眼圧を測定するが、医師は診察中に取得した眼圧値の「スナップショット」に基づいて決定を下す必要がある。しかし、病気は24時間にわたって常に変動し、定期的なテストでは決して反映されない大きなピークと谷がある。
Injectsense社が開発した超小型の眼圧センサー「iOP-Connect」は、米粒より小さい埋め込み型のワイヤレス機器で、24時間365日、継続的に遠隔で患者の眼圧をモニタリングすることが可能だ。
同社は2024年8月に、この「iOP-Connect」を使用した初の人体インプラントとワイヤレス眼圧(IOP)測定に成功したと発表した。
IOP-Connectシステムの研究を主導しているJuan Mura博士はインプラント手術を実施し、低侵襲で縫合不要の導入の実現の可能性を実証した。チームは外部リーダーを使用してIOPデータを収集。最初のインプラントが成功した後、20人の被験者の登録を目標にして試験が継続されている。
同社の次の段階には、伝達ツールの微調整と、眼球内部からのIOPの自動連続測定のためにセンサーに「Injectpower SASソリッドステートマイクロバッテリー」を組み込むことが含まれている。
最終製品プラットフォームは、患者が毎週数分間着用する「スマートグラス」を使用し、センサーをワイヤレスで充電し、センサーに保存されたデータをスマートフォンとクラウドに安全にアップロードすることだとしている。
Top Image : © Injectsense