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2024.03.11
知財ニュース
ホンダ、プラグイン充電可能な新型燃料電池車「CR-V e:FCEV」を世界初公開─2024年夏発売
Hondaは、新型燃料電池車「CR-V e:FCEV」を、2月28日(水)から3月1日(金)まで東京ビッグサイトにて開催された「H2 & FC EXPO[春]2024~第21回[国際]水素・燃料電池展[春]~」で世界初公開した。同モデルは、2024年夏に日本で発売予定で、同年、日本に加え北米での発売も予定している。
CR-V e:FCEVは、日本の自動車メーカーが発売するモデルとして、初めて外部から充電可能なプラグイン機能を持つ燃料電池車。
燃料電池車が持つ長い航続距離と水素の充填時間の短さはそのままに、家庭や外出先で充電できるプラグイン機能を加えることで利便性がさらに高まった。一充填走行距離は600km以上、EV走行可能距離は60km以上となる見込み。
グランドコンセプトは、「E-Life Generator」。約3分の水素充填時間で可能になる長距離ドライブ、使い勝手の良いプラグイン充電機能、SUVの走破性・機能性などをあわせ持ち、身近に使える燃料電池車として開発された。
外部給電器による高出力な電力供給に加え、普通充電ポートに接続する給電専用コネクターにより気軽に電気を取り出すことができ、日常やレジャー、停電時など、あらゆる場面での利便性・安心を提供する。
また、室内は、ベースとなったCR-V同様、ゆったりとした居住空間を確保している。荷室は、水素タンクの張り出しを使い勝手に積極利用するアイデアを採用し、フラットで広いラゲッジスペースと荷物の整理がしやすい2段式の荷室を実現する。
エクステリアは、歴代のCR-Vが持つスポーティーかつ機能的なスタイリングに、「クリーン」「タフ」「アイコニック」をキーワードとしたFCEVらしい知的な佇まいと力強さを表現。インテリアはCR-Vの持つ上質さとタフネスさに加えて、環境に配慮した素材としてシートにバイオ合皮を採用するなど、人と環境に寄り添うFCEVのスタイルを提案している。
ゼネラルモーターズ(GM)と共同開発した燃料電池システムは、Hondaがかつて製造・販売していた量産型のセダン型燃料電池自動車「CLARITY FUEL CELL」に搭載していたものと比較し、白金使用量の削減やセル数の削減、量産効果などでコストが3分の1、耐久性を2倍に向上させさらに耐低温性も大幅に向上させた。
また燃料電池システムを中心としたパワーユニットを一体化することで、小型軽量化を実現。ベースのCR-Vのエンジンマウントをそのまま活用できコスト低減に寄与するとともに、衝突安全性も向上。さらに振動や騒音がCLARITY FUEL CELLと比較し大幅に低下し、走りの上質感を大きく向上させることができた。
AC充給電コネクターは、日本と米国における普通充電の規格である「SAE J1772」を採用。家庭のACコンセントに接続して、気軽に車両の充電を行うことができる。また、普通充電ポートに、AC車外給電用コネクター「Honda Power Supply Connector(パワーサプライコネクター)」を接続することで、最大1500WのAC給電が可能な外部給電機能も装備し、停電時やアウトドアなどのレジャーでの電源として活用できるという。
さらに日本仕様には荷室内に設置されたCHAdeMO方式のDC給電コネクターに「Power Exporter e:6000(パワーエクスポーターイー)」、「Power Exporter 9000」などの可搬型外部給電機を接続することで、非常時や屋外イベントなどで高出力の電力供給が可能なDC外部給電機能も装備している。
新モデルは、Hondaとゼネラルモーターズ(GM)が共同開発し、両社の合弁会社であるFuel Cell System Manufacturing, LLC(米国ミシガン州)で生産される燃料電池システムが搭載され、Performance Manufacturing Center(米国オハイオ州)で生産、日本に輸出される。
発売は2024年、日本に加え北米でも展開される予定。
Top Image : © 本田技研工業 株式会社