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2022.03.15

知財ニュース

渋谷慶一郎による新作アンドロイド・オペラ「MIRROR(ミラー)」、世界初演がドバイ万博で実現

『MIRROR』1

音楽家 渋谷慶一郎は2022年3月2日(水)、ドバイ国際博覧会にて、アンドロイドと高野山に伝わる仏教音楽の声明、そしてUAEのNSO Symphony Orchestraとのコラボレーションによる、新作アンドロイド・オペラ®︎「MIRROR(ミラー)」の世界初演を開催した。

アンドロイド・オペラ「MIRROR」は、音楽家・渋谷慶一郎と、人間と人工生命体とのコミュニケーションの可能性を探るために開発されたアンドロイド「オルタ3」、藤原栄善をはじめとした1200年の歴史を持つ仏教音楽「声明」、そしてUAE現地オーケストラ「NSO」による新作オペラ。

本来は2021年12月11日(土)に開催予定だった、ドバイ万博における日本のナショナルデー「ジャパンデー」の中で初演が予定されていたものが、オミクロン株の世界的流行を受けて公演見合わせとなり、2022年3月2日に公演となった。

渋谷氏によるピアノと電子音、そしてオーケストラの演奏、そこにアンドロイド・オルタ3のAIによって生成された即興的な歌と、高野山に伝承される声明の声が掛け合わさる本作は、人種や文化、最新のテクノロジーと最古の仏教音楽が重なる、新しい芸術的調和のモデルを探求する作品となっている。

また、アンドロイドが歌うAI、GPT3(文章生成言語モデルAI)によるテクスト、歌詞の生成には、人工生命研究者の池上高志が、アンドロイドのヴォーカル開発やプログラミングには、電子音楽家の今井慎太郎が全面参加している。

西洋的なオペラの脱構築であったこれまでのアンドロイド・オペラ作品とは異なる、祝祭的な形式となっており、渋谷氏のここ数年の活動を一つにした集大成ともいえる作品になっているとのこと。

MIRROR 3

当日は、渋谷氏が長年コラボレーションを続けている仏人ビジュアルアーティストのJustine Emard(ジュスティーヌ・エマール)による視覚演出も加わり、さらなる独創性を見せた。また演目の一つとして渋谷氏が音楽を担当した映画「ミッドナイトスワン」のメインテーマをオーケストラバージョンにし、アンドロイドのヴォーカルと声明、電子音をミックスする、新たなバージョンの演奏なども行われた。

今回の作品について渋谷氏は、イスラム文化とハイテクノロジー産業が共存するドバイの地を本作発表の「これ以上ない場所」とした上で、一度は見合わせとなった本作の実現に大きな喜びを語った。

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ドバイ万博公式サイト

ドバイ万博 日本館公式ウェブサイト

Top Image : © アタック・トーキョー 株式会社

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