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2021.08.24

知財ニュース

ペットボトル以外を入れにくくするゴミ箱の実証実験がスタート―2022年に業界初の汎用型リサイクルボックス統一仕様へ

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一般社団法人 全国清涼飲料連合会は、ペットボトルのリサイクル促進に向けた異業種連携による取り組みとして、「自動販売機リサイクルボックス異物低減プロジェクト2021」をスタートした。

このプロジェクトでは、新機能リサイクルボックスを用いた実証実験を実施し、業界初の汎用型リサイクルボックスとして2022年秋に業界統一仕様を目指している。異物低減を実現し、回収現場から始めるペットボトルの資源循環に取り組む予定だ。

新機能リサイクルボックスの特徴は「下向き投入口による脱ゴミ箱」とのこと。遠望から投入口が見えない下向きのデザインによって、下から入れにくく、飲み残しのカップを投入できない仕組みとなっている。大きなゴミの投入を防止するため、投入口はペットボトルが入るサイズに最小化し、上部と下部を結束バンドで固定。色は脱ゴミ箱の色彩として、SDGs11「住み続けられる街」のオレンジ色が採用された。また、開発当初はスチール製だったが、業界汎用型の普及を目指しプラスチック製へと変更している。

undefined ©国連広報センター(UNIC)

清涼飲料水の中でもペットボトル飲料は76%のシェアを占める。清涼飲料業界は、2030年までにペットボトルの100%有効利用、ボトルtoボトル比率50%を宣言し、プラスチック資源循環の促進に取り組んでいる。この取り組みを加速するためには、使用済みペットボトルの確実で清潔な状態での回収が重要だ。一方で、2018年12月東京都内調査によると、リサイクルボックスの中身の約3割が清涼飲料空容器以外の異物であることが課題となっている。異物を低減することで、リサイクル現場での分別作業の効率化が図られ、品質や量の改善が期待できる。さらに今回、ペットボトル単体だけでなく、キャップ、ラベルの分別回収も進めることにより、カーボンニュートラルの実現を図る。

これらを実現するには、排出事業者責任である自動販売機からの回収品質向上が不可欠であるとし、2020年度に農林水産省の支援を受けて新機能リサイクルボックスが開発された。2020年11月に東京都渋谷区での実証実験では、異物数が48%減、異物混入割合が以前の43%から29%へ改善した。

今回のプロジェクトでは、この取り組みを一層拡大していくために、異業種の連携パートナーを拡大。清涼飲料業界の枠を超え、日本たばこ産業が啓発の協力、ラベルメーカーのフジシールインターナショナル、キャップメーカーの日本クロージャー、リサイクルボックスメーカーのアートファクトリー玄が参画し、実証実験は一般社団法人 日本自動販売協会の協力のもと実施していく。 実証実験の実施エリアは、静岡県浜松市、愛知県岡崎市、三重県津市で、既存リサイクルボックスと新機能リサイクルボックスとの異物数、種類別などの違いを検証する。

実施時期・内容項目
①農林水産省食品産業プラスチック資源循環対策事業
静岡県浜松市 8月23日(月)~ 9月19日(日)、40箇所(予定)
愛知県岡崎市 9月13日(月)~ 10月10日(日)、40箇所(予定)
・前期:既存リサイクルボックスで投入個数と異物数、種類別などの現状を検証
・後期:新機能リサイクルボックス単体を20箇所で設置、新機能リサイクルボックスとキャップ・ラベル分別回収
ボックスを併設し、違いを検証
②三重県の「ペットボトル協働回収モデル事業実証実験」受託
三重県津市 9月27日(月)~12月14日(火)、100箇所(予定)
・前期:既存リサイクルボックスで現状を検証。検証後、後期に向けて啓発活動を実施
・後期:50箇所を既存リサイクルボックス、30箇所で新機能リサイクルボックス単体、20箇所で新機能リサイクルボックスとキャップ・ラベル分別回収ボックスを併設し、違いを検証

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Top Image : ©一般社団法人 全国清涼飲料連合会

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