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2023.06.15

知財ニュース

世界最大規模のドバイ・海洋都市プロジェクト「Dubai Reefs」公開─海洋再生とエコツーリズムを目指す

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ドバイで計画されている、世界最大の浮体式海洋都市プロジェクト「Dubai Reefs(ドバイ・リーフス)」が公開された。手がけているのは、ドバイを拠点に持続可能な都市開発プロジェクトを展開しているURBだ。

Dubai Reefsが目指すのは、海洋研究・再生とエコツーリズム。海洋研究所を中心に、教育施設や住宅、ホスピタリティ、小売などを設置。200平方キロメートルに及ぶ人工リーフを構築する。さらに10億以上のサンゴと1億本以上のマングローブの生息地として整備し、海岸の生態系を再生・強化するという。

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地球温暖化が進む中で、ドバイを含む多くの沿岸都市が急速な海面上昇と沿岸洪水の影響を受けると想定されている。そこでDubai Reefsでは、環境負荷の少ない海洋都市を構想。ドバイ沿岸の生態系を育みながら、海と都市が共に豊かになる姿を描いている。

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Dubai Reefsでは、100%再生可能エネルギーを使用する。太陽光発電などと合わせて、海洋波のエネルギーを活用。浮体構造物に潮流発電機を組み込み、電力を生成する。絶え間なく動く海流を持続性・一貫性のあるエネルギー源として使用するという。

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海洋養殖も予定している。森林以上に二酸化炭素を多く吸収する海藻と、水をきれいにする牡蠣の養殖を行い、食料を確保しながら海洋生物の生息環境の改善を図る。将来的には、主食のタンパク質の獲得場所を、環境負荷の大きい陸から海へ移すことも見据えている。

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そうした海洋環境を活かしたエコツーリズムも、Dubai Reefsの柱の1つだ。浮体式のエコリゾートやエコロッジ、サンゴ礁が育む豊かな生態系を楽しむアクティビティなどの提供を予定。観光による地域経済への貢献を想定している。また観光事業を含むDubai Reefs全体で、3万人以上の雇用創出を見込んでいるという。

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URBは、Dubai Reefsを通じて、海との共生や陸と水との関係構築など、都市計画のあり方を見直す動きにつなげたい想いもある。急速な海面上昇より、浮遊都市が未来の生活スタイルになる可能性があるとも示唆している。

CEOのBaharash Bagherian氏は、エコツーリズムと海洋研究のためのユニークな目的地を作るだけでなく、気候変動の影響を緩和しながら、海洋生活の青写真となることを目指している、と述べている。今後の進展が期待される。

「Dubai Reefs」プロジェクトサイト
URB公式サイト

Top Image : © URB

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