News

2021.06.09

知財ニュース

ファーストリテイリングがユニクロやGUで導入された「セルフレジ」の特許を巡る訴訟で敗訴

RFID-Reading-TUB 1-1024x683

ユニクロやGUで導入されているセルフレジの特許をめぐり、ファーストリテイリングと大阪のIT関連企業「アスタリスク」が争った訴訟で、知財高裁は特許を一部無効とした特許庁の審決を取り消し、ファーストリテイリングの請求を棄却した。

アスタリスクは、電磁波を用いてRF(無線周波数)タグのデータを非接触で読み書きするRFID読取装置によって、買い物かごをレジに置くだけで決済できる仕組みの特許を2019年1月に取得。同年2月からユニクロが同様の仕組みのレジを店頭に導入し、アスタリスクは特許の使用に対するライセンス契約を要求したが、ファーストリテイリングから0円でライセンスを要求されたとして締結には至らなかった。

その結果、アスタリスクはファーストリテイリングに対して特許権侵害行為差し止めの仮処分を求めて東京地方裁判所に申し立てた。それに対してファーストリテイリングは、特許そのものが無効であるとして特許庁に無効審判を請求。2020年3月頃にGUの店頭でも同様の仕組みのレジが導入されていることが発覚し、特許権侵害行為差し止め仮処分命令を大阪地方裁判所に申し立てた。

2020年8月6日には特許庁が一部の特許を無効と判断していたが、知財高裁は一転して有効と判断。知財高裁の森義之裁判長は、アスタリスクの発明とファーストリテイリングが店頭に導入したセルフレジには、商品に付けられたタグから情報を読み取る装置や、タグと交信するための電波を放射するアンテナなどが一致していると指摘し、アスタリスクの特許は有効と判断した。

ファーストリテイリングは「弊社の主張が認められず、大変残念に思います。まずは、判決内容を精査いたします」とコメントしている。

Top Image : ©Getty images

広告