OpenAIの動画生成AI「Sora」によって制作されたMVが公開された。

今回、OpenAIの「Sora」が使用されたMVは、6月28日にリリースされるWashed Out氏のニューアルバム『Notes From a Quiet Life』に収録される「The Hardest Part」の映像。MVを監督したPaul Trillo氏は、10年近く前に思いついて放棄したアイデアを実現したものであり、AIを活用してようやく実現することができたとしている。

OpenAIの動画生成AI「Sora」は、テキストから最大60秒の動画を生成することができる「Text-to-Video」モデルだ。従来の動画生成AIを上回る品質と整合性のある動画を生み出し、多くの専門家から賞賛の声が上がっている。

複数のキャラクター、特定の種類のモーション、被写体と背景の正確な詳細を含む複雑なシーンも生成可能。ユーザーがプロンプトで何を要求したかだけでなく、それらのものが物理世界にどのように存在するのかも理解する。また、1つのビデオ内で、キャラクターやビジュアル スタイルを正確に保持する複数のショットを作成することもできる。

しかし、現行モデルにはまだまだ改善の余地があり、複雑なシーンの物理をシミュレートするのが難しい場合があるのだという。また、プロンプトに含まれる空間的詳細 （左と右の識別など） を混乱させたり、特定のカメラの軌跡など、時間の経過とともに展開するイベントの正確な説明に苦労したりする場合もあるとのことだ。

OpenAIは、「Sora」を利用可能にする前に、悪用のリスクに対処するために安全対策を講じる予定だとしている。これには誤情報、憎悪的なコンテンツ、偏見などをテストする専門家との協力が含まれる。また、「Sora」によって動画がいつ生成されたかを知ることができる検出分類子など、誤解を招くコンテンツの検出に役立つツールも構築しているとのことだ。

OpenAI「Sora」

Top Image : © Washed Out