宇宙から地球の未発掘不動産を探し出す、不動産仕入れAI
オフマーケット探索AI「WHERE」

概要
「WHERE」は、人工衛星データとAIを活用して、不動産取引や土地の仕入れにつながる情報を自動で収集する仕入れ支援プラットフォーム。宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所での研究を起点に生まれた株式会社WHERE(旧:株式会社Penetrator)が開発・提供している。不動産業界では「仕入れを制する者が市場を制する」と言われる一方、その仕入れは人脈や勘、経験に依存し、再現性が低いまま留まってきた。WHEREは、衛星・行政・民間のデータをAIで統合し、顧客ごとに異なる「価値ある不動産」の候補地を高速かつ高精度に抽出する。さらに、見つけた土地の所有者情報の取得からアプローチの管理までを一元化し、属人的だった仕入れの全工程をチームで再現できる仕組みへと変えていく。地図の外側に眠る、まだ世に出ていない不動産の源流情報を掘り起こす、オフマーケット向けの仕入れ支援プラットフォームとなっている。





なにがすごいのか?
衛星・行政・民間データをAIで統合し、価値ある候補地を高速・高精度に抽出できる
人脈や勘に頼っていた土地の仕入れを、チームで再現できる仕組みに変えられる
見つけた土地の所有者情報の取得からアプローチ管理までを一元化できる
なぜ生まれたのか?
代表の阿久津岳生は、2007年から不動産業や建築業の会社を複数起業し、業界の課題に直面してきた。不動産の仕入れはおよそ71%がアナログな人脈によって行われ、優良な土地情報へのアクセスは限られ、再現性の低い属人的なプロセスにとどまっている。この構造を宇宙の視点から問い直すため、2020年にJAXA宇宙科学研究所で宇宙科学の研究を開始した。旧社名の「Penetrator(ペネトレーター)」は、貫入型惑星探査機ペネトレータに由来し、その技術は災害や住宅に関する科学データを観測するIoT観測機へも応用されている。地上からは捉えきれない変化も、広域・俯瞰・経時という衛星データの特性を使えば見えてくる——そんな発想が、WHERE開発の出発点になっている。
2026年にはパワーエックスとの共創プロジェクトとして系統用蓄電所の用地開発を支援し、Forbes JAPAN「Xtrepreneur AWARD 2026」エネルギーソリューション賞を受賞。米国では所有者情報の取得に対応済みで、英国・オーストラリア・シンガポールへの展開も予定している。
なぜできるのか?
衛星データが持つ「広域・俯瞰・経時」の特性
衛星は地上からでは捉えにくい変化を広域・俯瞰・経時の三軸で可視化する。夜間の光量変化から人口動態や経済活動を読み取り、時系列の画像比較から空き地や低未利用地を特定し、地形や植生データから開発ポテンシャルを算出する。地上の人脈では届かない「まだ市場に出ていない土地の兆し」を、衛星は静かに照らし続ける。このデータを基盤に置くことで、人の足で稼ぐしかなかった情報収集を、AIが自動化できる。
約7,300万件のデータベースとAIスクリーニング
WHEREが蓄積した約7,300万件の不動産関連データベースに、衛星・行政・民間のオープンデータを重ね合わせ、AIが顧客ごとの条件(用途・面積・権利関係・アクセス・コストなど)に応じて候補地を高速スクリーニングする。これにより、従来は数週間を要した候補地の洗い出しが数分に短縮される。スクリーニング後は最適条件を両社で繰り返しチューニングする設計で、精度を継続的に高められる。
所有者アプローチの一元管理と内製化
候補地が抽出された後の「所有者へのアプローチ」こそが取引の肝だとWHEREは考える。DM文面の最適化(あえて手書き風を採用し反響率を通常の3倍に)、地権者からの電話対応の内製化、反響管理のデジタル化まで、一連のプロセスをWHEREが担う。単なるデータ提供にとどまらず、業務フローごと請け負うことで、リソースが限られるクライアントでも再現性のある仕入れ体制を構築できる。
相性のいい産業分野
- 住宅・不動産・建築
仕入れ担当者が足で稼いでいた土地探索をAIに移管し、属人性を排除した再現可能な仕入れ体制を構築
- 環境・エネルギー
系統用蓄電所・太陽光発電所・風力発電所などの大規模用地を、衛星データが持つ広域探索力で効率的に発掘
- 農業・林業・水産業
耕作放棄地や低未利用林地の所在と権利関係を広域で把握し、農地集積や林業再生の用地確保に活用
- 旅行・観光
ホテル・リゾート・グランピング施設の用地探索に衛星データを活用し、アクセスや地形・日照条件を俯瞰的に評価
- 流通・モビリティ
物流倉庫・EV充電インフラ・モビリティハブの適地を、人口動態・交通量データと掛け合わせて自動抽出
- 航空・宇宙
惑星探査機が収集した表面データをAIが解析し、人類の居住候補地を選定する「惑星版WHERE」が誕生
この知財の情報・出典
この知財は様々な特許や要素技術が関連しています。 詳細な情報をお求めの場合は、お問い合わせください。 Top Image : © 株式会社 WHERE





