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2024.04.23
知財ニュース
水深1,000mでも金属を探査可能なドローン搭載センサ「JIKAI」を開発─特許出願中、2025年に量産化目指す
ドローン開発などを行う株式会社ワールドスキャンプロジェクトは、磁界の存在を検出し、磁場の強度と方向を測定するためのリモートセンサ「JIKAI」を開発した。従来では困難とされていた、ドローンなどの移動体にセンサを搭載した状態での高品質な磁場計測を実現する。
「JIKAI」は、従来の金属探知センサで課題視されてきた、オフセット(強力な磁石などを近づけた前後でゼロ点がずれてしまう現象)と、ノイズによる信号雑音比(S/N比)のレベル問題を解決するもの。
重さ約1kgほどの小型ドローンにも搭載することができ、独自開発した検出技術は、姿勢変化が大きいドローンにおいても優れたパフォーマンスを発揮するという(特許出願済)。
既に、磁化された直径20mm、長さ0.5mの鉄棒(500ポンド爆弾相当)を探索対象とした模擬試験では、従来製品では検知距離7mだったが、開発品は20m以上の検知距離を実現。
検知距離性能向上によって、安全で効率的な探査が可能となる。さらに水深1,000m以深の観測にも成功しており、地球最深部調査への対応も可能だという。
JIKAIの活用は、「アステロイドマイニング」のための探査として、地雷や機雷の探査、考古学などの探査、産業用センシング、医療応用、宇宙航空用途、セキュリティなどの分野で活用が見込まれる。
Top Image : © 株式会社 ワールドスキャンプロジェクト