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2023.04.14
知財ニュース
3Dプリントで作られた約100棟の宿泊施設、テキサス州のグランピング施設「エル・コスミコ」がリニューアル
ホスピタリティ事業を手がけるアメリカの実業家リズ・ランバート(Liz Lambert)氏と、3Dプリント建設技術を開発するICON、建築設計事務所BIGは米現地時間2023年3月8日、テキサス州マーファのキャンプ場「エル・コスミコ(El Cosmico)」のリニューアルプロジェクトを発表した。
キャンプ場「エル・コスミコ(El Cosmico)」は、ユルト(遊牧民のテント式住居)、トレーラー、タイニーハウスなどのユニークな宿泊施設を備えたグランピング場。今回のリニューアルでは、敷地面積を60エーカー超に拡張し、3Dプリント技術を駆使して、75〜100棟のタイニーハウスを建設。プールやスパ、コミュニティの共有施設なども設け、クリエイティブな文化と、テキサス州マーファの自然の両方を楽しめるエリアを追加する。
住宅や宿泊施設には、高地の砂漠の風景と宇宙組織とのつながりに基づいたデザインを採用。柔らかな形状と曲面を作り出すICON社の技術により、勾配や吹き抜け、アーチなど、従来の建物にはないオーガニックなデザインを実現している。なお、ランバート氏によれば、曲線構造を3Dプリンタなしで作るには「10倍の予算が必要」とのこと。
また、建物の外観には、3Dプリントだから実現できるなめらかな形状と、テキサスの大地から生まれたカラーパレットを採用。ランバート氏によると、3Dプリント技術を活用することで、土で塗り固めたような原始的な造りでありながら従来と比べて工期が短く、サステナブルで高効率な建築を構築できるという。
「エル・コスミコ」がホテルを超えた存在になると語るランバート氏。今後は、アートやスキル構築などを軸にゲストエクスペリエンスを拡大し、新しいテクノロジーを体験できる機会を提供するほか、3Dプリントされた住宅を安価で提供することも予定している。
Top Image : © ICON