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2025.08.26

知財ニュース

NASA、2030年までに「月面原子炉」を建設する意向を表明

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NASAの暫定長官ショーン・ダフィーは、8月初め、2030年までに月に原子炉を設置する意向を表明した。

2024年3月以降、中国とロシアは少なくとも3回にわたり、2030年代半ばまでに月面に原子炉を設置する共同計画を発表してきた。最初にこれを行う国は、アメリカが計画するアルテミス計画の月面拠点設立を大幅に妨げる「立入禁止区域」を宣言する可能性があり、アメリカが先に到着しない限り、その影響は重大なものになるとしている。

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NASAは、月面に原子炉を設置するプロジェクト「Fission Surface Power」を進めており、これはNASAの60年以上にわたる探査技術の経験を基盤としている。2022年、NASAは月面におけるこのシステムのコンセプトについて3件の契約を締結。これは、500万ドル規模の契約だとしており、月面で少なくとも10年間稼働する予定の40キロワット級の発電システムの初期設計コンセプトの開発に充てられるものだ。

NASAは今回、これまでの研究を基に、業界と協力して、少なくとも100キロワットの電力を供給するシステムの設計を計画しているとのことだ。

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原子炉の設置は、その大きさ、重量、そして発電能力により、場所を問わず効果的な継続的な電力供給源となる。さらに、太陽光が届かない月面にも設置でき、極地付近では14日以上続く月面の夜を支えることができる可能性があるのだという。将来的に月面で実証実験が行われれば、月や火星における持続可能な運用、さらには基地キャンプの設置への道が開かれるとしている。

プレスリリースはこちら

NASA’s Fission Surface Power (FSP) Project(PDF)

「Directive on Fission Surface Power (FSP) Development」資料はこちら

「Fission Surface Power」についてはこちら

Top Image : © NASA

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