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2023.09.29
知財ニュース
大日本印刷、文化財の3DCGデータの提供を開始─「神田明神」や「仁和寺金堂」の高精細CGをスタジオに投影
大日本印刷株式会社は、文化財や世界遺産の高精細3DCGデータをインカメラVFX用途で提供することを発表した。
インカメラVFXは、スタジオに設置したLEDに3DCGを背景として投影し、現実感のある映像を創り出すバーチャルプロダクションの手法。天候や時間帯に左右されず、制作期間を短縮できることから、テレビドラマやCM撮影などで使われている。
同社では、2015年頃からフォトグラメトリ(撮影データから3Dモデルを生成する手法)を活用した文化資源の保存・活用手法を提案しており、2021年からはXR技術で新しい体験と経済圏を創出する「XRコミュニケーション事業」を展開。2019年には「仁和寺金堂」、2022年には「神田明神」の3DCGをリリースしてきた。
同社では今回、文化財の保存や活用と、映像制作における課題の解決を両立を目的に本取り組みを推進。新たに制作された3DCGデータには、独自の技術で精密なマテリアルやシャドウが施されており、歴史ある建築物ならではの外壁や木材の質感を忠実に表現しているほか、新たに配置・アングルの変更やエフェクトの追加も行えるという。
なお、アセットはデジタル背景ライブラリー「BACKDROP LIBRARY」を用いる。第一弾として「神田明神」を、11月以降は「仁和寺金堂」の提供を予定しており、データ使用の対価は文化財の所有者に還元する。
同社は今後、提供する3DCGデータの品質向上とともに、文化資源の活用による地域活性化の支援などさまざまな事業を展開していく。
Top Image : © 大日本印刷 株式会社