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大阪・関西万博

2025.07.25

知財ニュース

住友ゴム工業、3Dプリンターでつくれるゴム材料を開発―高い復元性と耐久性、ロボットや医療などで活用へ

sumitomo 01

住友ゴム工業株式会社は、3Dプリンターで加工できる今までにないゴム材料を開発したと発表した。

sumitomo 01 ロボットハンドの指部分(青の部分)

今回開発されたものは、同社の強みである「ゴム・解析技術力」により開発した3Dプリンターでゴム製品をつくる事ができる、今までにないゴム材料だ。

これまで3Dプリンターでは、ゴムライク製品(ゴムのように柔らかく、弾力性のある樹脂の製品)はつくることができたが、ゴムと比べて復元性や耐久性に課題があった。しかし、長年のタイヤ開発で培ったゴムの配合および内部構造分析のノウハウを駆使し、ゴム本来の弾性、復元性、耐久性を持つ3Dプリンター用のゴム材料の開発に成功。長時間かつ高温で圧縮負荷をかけた場合でも高い復元性を発揮するとともに、2,000万回の繰り返し圧縮試験にも耐える高い圧縮耐久性を持っている。

3Dプリンターで主流の樹脂(プラスチック)ではつくれなかった弾力性、耐衝撃性、柔軟ですべりにくいなどのゴムの特性を活かした製品をつくることが可能だ。

sumitomo 02 大動脈血管モデルの3D造形 3Dプリンターで製造したゴム製品(試作品)

これにより、3Dプリンターの使用用途が大きく広がるとされている。例えば人の指先と同じ様なすべりにくさが必要なロボットハンドの指部分や、人の臓器と同じ様な柔軟性と弾力性を持つ医療訓練用の臓器シミュレーションモデルをつくることが挙げられる。

sumitomo 03 心臓モデルの3D造形

今後、ロボット、医療、自動車、スポーツなど様々な分野での活用が期待できる。同社では2026年中の事業化を目指して今後も研究・開発をさらに進めていくとのこと。

また、今回のゴム製品の試作品は3Dプリンティングに関する最新技術を紹介する専門展「TCT Japan 2025」、「AM EXPO東京」で展示され、来場者の高い関心を集めた。また、現在開催中の大阪・関西万博「住友館」内の「ミライのタネ」コーナーでも展示されている。

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Top Image : © 住友ゴム工業 株式会社

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