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2025.09.05

知財ニュース

スタンフォード大学、頭の中の言葉を最大74%の精度で読み取ることに成功

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米スタンフォード大学の研究チームは、頭の中で思った言葉を高い精度で認識することに成功したと発表した。

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この研究では、「ブレイン・コンピューター・インターフェース(BCI)」技術を使用し、頭の中で思った言葉を最大74%の精度で認識できたのだという。

「ブレイン・コンピューター・インターフェース(BCI)」は、怪我や病気で失われた運動機能やコミュニケーション機能を回復させる有望な解決策だ。しかし、現在のシステムでは、発声を試みる必要があり、疲労を招きやすく負担になるという問題があった。研究チームによると、心の声を解読するBCIはこうした問題を解決できる可能性があるとしている。

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実験では、筋萎縮性側索硬化症(ALS)などで麻痺がある4人の患者が参加。患者の脳の運動皮質に微小電極を埋め込み、脳活動を記録した。参加者は、指定された単語を声に出そうと試みることと、心の中で思うだけの2パターンが指示されたが、どちらも似ているが違いのある脳活動の信号パターンが確認できた。

この信号をAIに学習させると、最大12万5000語の語彙から想像した文章を最大74%の精度で解読することに成功した。また、参加者に指示していない言葉を解読できることも判明したのだという。

さらに研究チームは、BCIが誤ってプライベートな心の声を読み取ることを防ぐシステムも取り入れた。パスワード機能のように、ある特定のキーワードを頭の中で思い浮かべると、解読を許可してもいいという合図となり、BCIによる読み取りが開始される仕組みだ。実験では、「chitty chitty bang bang」というキーワードが使用され、約98%の精度で認識できたとのことだ。

研究論文はこちら

Top Image : © スタンフォード大学

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